トランプ氏、ロシア提案の新START延長を拒否 「新たな条約必要」
[ワシントン/モスクワ 5日 ロイター] - トランプ米大統領は5日、同日に失効した米国とロシアの新戦略兵器削減条約(新START)について、延長するのではなく新たな条約を締結すべきだとし、ロシアのプーチン大統領が提案した自主的な延長を拒否した。
トランプ氏は「新STARTを延長するのではなく、将来にわたり機能する、新しく改善され、近代化された条約について核専門家に検討させるべきだ」と自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。
ホワイトハウスのレビット報道官は記者会見で、トランプ大統領の投稿を補足する形で、失効した新STARTの条件を維持するための暫定合意は存在しないと述べた。その上で、米国はロシアとの協議を継続すると語った。
新STARTは米ロ間に残る最後の核軍縮合意だった。プーチン大統領は新STARTで定められた戦略核弾頭のほか、運搬手段となるミサイル、航空機、潜水艦の配備上限を1年間に限り米ロ両国が順守することを提案。ロシア大統領府のペスコフ報道官はこの日のトランプ氏の投稿に先立ち、米国がプーチン大統領の提案に建設的に応じる場合、ロシアには対話に臨む用意があると述べていた。
新STARTには兵器の数的制限のほか、査察制度も盛り込まれており、専門家によれば、これが核敵対国間の信頼と信用を築き、世界の安全向上に貢献したという。
軍備管理の推進派は条約の失効により核軍拡競争が加速すると警告する一方、米国の反対派はこの条約によってロシアと中国による核の脅威を抑止するのに十分な兵器を配備する米国の能力が制限されていると主張している。
トランプ氏は投稿の中で、新STARTについて「交渉が不十分な協定」であり「著しく違反されている」と指摘した。これはプーチン大統領が2023年、双方による条約順守を確認するための現地査察やその他の措置を停止することを決定したことに言及したものとみられる。プーチン氏はロシアが侵攻したウクライナへの米国の支援を決断の理由として挙げた。
国連は米ロ双方に条約の復活を促している。
トランプ氏は先に、新STARTを中国を加えたより良い協定に置き換えたいと述べている。だが、中国側は米ロとの交渉を拒否している。
中国は5日、新STARTの失効は残念だとし、米国に対し「戦略的安定」についてロシアとの対話を再開するよう求めた。
ロシア外務省は、新STARTはもはや適用されず、双方が次の措置を自由に選択できるというのがロシアの見解だと表明。ロシアは「国家安全保障に対する潜在的な追加的脅威を軽減するための断固たる軍事技術的対抗措置」を講じる用意があるが、外交交渉にも応じる用意があるとした。
専門家らは、いかなる合意にも縛られなければ、ロシアと米国は数年以内にそれぞれ数百発以上の核弾頭を配備する可能性があると指摘する。
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Chief writer on Russia and CIS. Worked as a journalist on 7 continents and reported from 40+ countries, with postings in London, Wellington, Brussels, Warsaw, Moscow and Berlin. Covered the break-up of the Soviet Union in the 1990s. Security correspondent from 2003 to 2008. Speaks French, Russian and (rusty) German and Polish.