日本人の78.9%が「海外旅行は高い」と諦めている!? →実は誤解!国内より安く行ける国がこんなにある→予算10万円以下 “夢の海外旅行” のコツ

「1」 1億2317万人の日本国民のうち、6分の1しか持っていな身分証と言えば?  「2」 2025年10月、筆者は中央ヨーロッパ・ハンガリーへの渡航を計画している。関空からハンガリーまでの往復航空券(燃油サーチャージなど諸経費込み)と2泊分の宿代の合計金額はいくらか?  「3」 これまでに40カ国を旅した、筆者のセンター試験英語の点数は?   正解は、1「パスポート」2「7万2900円」3「半分以下」。

 2の解答について補足すると、関空からハンガリーまでの往復航空券代(燃油サーチャージなど諸経費込み)が6万2100円、宿代はシングルルーム2泊が1万800円、合計7万2900円である。食費や観光にたっぷり予算をかけても、10万円以下に十分収まる。  これでも少し高く感じる方もいるだろうが、韓国など近い国であれば5万円以下に収めることも可能だ。 参考:《北朝鮮》わずか“5万円”の裏技旅で北朝鮮を体感した30代男性。そこで見た衝撃の光景と、深く感じたこと

■実は国内旅行より安い?  令和時代における衝撃の海外旅行費用  なぜ日本人は海外旅行を敬遠するのか。JTBが15歳以上79歳までの男女約3000名を調査した「2025年1月〜12月の旅行動向見通し」によると、海外旅行に「一度も行かない」と答えた人は78.9%。その理由第1位は、「旅行費用が高いから(33.6%)」、第2位は「家計に余裕がないから(26.4%)」、第3位は「円安だから(24.4%)」だった。


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 1〜3位は言葉こそ違うがすべて「お金」にまつわるものだ。しかし、意外と思っているよりも安く行けるので、その方法を本記事ではしっかり伝えていきたい。  ちなみに筆者の父(65歳)も、興味はあるが長年海外旅行をしていなかった人のひとりだ。昭和の企業戦士のロールモデルのような人生を歩んできた父は、定年退職して現在再雇用の職場に勤めている。ようやく時間に余裕ができ、昨年母と共に台湾旅行へ出かけていた。30年ぶりの海外旅行は楽しかったようで「もっと旅したいから、安く行ける国と旅のコツを教えてほしい」と連絡が来る。

 聞いてみると、旅行代金は大手旅行会社のツアーで3泊4日、5つ星ホテル泊、朝昼夕の食事付きで30万円(2名分の合計)だったそうだ。私の父は「旅行会社の顧客」となったわけだが、チケットの手配や宿の予約を自分で済ませることができれば、同じ条件で旅行代は半分程度にすることができる。渡航日程を1泊2日や1泊3日といった「小旅行」に短縮すれば、2名で10万円以下も実現可能だ。そうすれば20万円も節約でき、そのお金で別の旅に行けるだろう。

 父は万里の長城、タイ、ベトナムに興味があると話しており、これらの国は2泊3日でひとり予算6万〜8万円もあれば旅できる。宿泊先を5つ星ホテルにして、食事をそこそこいいレストランにしたとしても、10万円あれば十分だ。  厚生労働省の発表している健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)は男性が約72.6歳。女性が約75.5歳。人生100年時代と呼ばれる現代だが、健康寿命やライフステージの変化など、海外旅行を楽しめる期間は老若男女問わず、実はそれほど長くない……かもしれない。

 両親には心身ともに元気なうちに海外渡航を楽しんでもらいたい。  なお、アンケート3位にあるように「円安」を懸念される方もいるかもしれない。たしかにコロナ前と比べて円の価値は30%くらい下落したが、これは4万円で足りていた現地費用が5万円くらい必要になったということで、到底無理な金額というわけでもないだろう(ただし、世界中でインフレが進んでいるため、旅行先の物価高は考慮する必要はある)。 ■ヨーロッパ往復5万円代も…。「夢の海外旅行」を格安で実現する方法


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 このように、格安で海外旅行を楽しむためのコツは、航空券やホテルなどをすべて自分で手配すること。つまりツアー旅行ではなく、個人旅行で渡航することが最大のポイントになる。ツアー会社に中間搾取されない分、金銭的な旨味はピカイチというわけだ。  具体的な方法としては、例えば無料ウェブサービス「スカイスキャナー」を使えば韓国や台湾、香港や上海など、アジア各国・地域の往復航空券を(諸税込みで)2万〜3万円前後で手配できる。ちなみに筆者は2025年に同サービスを使って(関空発の往復・燃油サーチャージなど諸税込み)スリランカ4万220円。東ヨーロッパのジョージア5万4581円。2024年度は、韓国2万7020円。トルコ6万2491円。マレーシア3万3820円の往復航空券を手に入れている。

■航空券、宿泊、食事…個人旅行の注意点は?   なお、注意点としては、安い航空券はLCCであることが多く、スーツケースの預け入れや機内食を頼むと追加料金がかかる。  また、遠方へのフライトは基本的に乗り継ぎが必要で、その際に一度入国手続きを求められるケースもある。ビザの申請は自分で行わなければならず、トラブルが起きた場合の対応もすべて自分で対応する必要がある。その点を理解したうえで選ぶことが大切になる。

 筆者の父もそうだが、「旅先で安宿はキツい……」と思う方も多いだろう。宿泊に関しては、アジア各国なら高級ホテルも手が届きやすい。1泊2万〜3万円ほどの予算があれば、セブ島でもバリ島でも5つ星クラスに泊まれる。しかも海外のホテルは1名単位ではなく1部屋単位で料金が設定されていることが多いため、夫婦や家族で旅行するなら日本よりむしろ安く済む場合がある。ホテル探しには「ブッキングドットコム」や「トリップドットコム」といったサービスが便利で、口コミ評価8/10以上を目安に探せば大きな失敗は少ない。

 食事の心配もあるかもしれないが、アジア諸国であれば必要以上に構える必要はない。シンガポールを除けば、日本でロイヤルホストに行く程度の予算で、清潔なレストランで食事とお酒を楽しめる。もっと節約したいなら屋台飯という選択肢もあり、わずか500円程度で満腹になれるほどだ。 ■通信手段、パスポート申請、英語力…。その悩み、すべて不要です  海外での通信手段も心配無用だ。例えば私が使っているドコモのahamoの場合、追加料金不要で海外91の国と地域で利用できる(各通信会社に確認してほしい)。他にも、例えば出発する日本の空港で「ポケットWi-Fi」を借りる手もある。料金は(渡航先と通信速度にもよるが)1日あたり1000円前後なので、そこまで大きな出費にはならない。現地空港でSIMカードを購入する方法も便利だ。


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 なお各種予約にはパスポート番号が必要なので、パスポートを持ってない人は外務省の公式サイトを閲覧後、発給申請してほしい。必要書類は申請書、戸籍謄本、住民票の写し、写真、身分証の5点のみ(有効期限切れのパスポートがあればこれも持参する)。申請書は5分もあれば書ける。申請から交付までに必要な期間は、おおよそ2週間程度。手数料は、5年間有効パスポートなら1万1300円。10年間有効なら1万6300円。オンライン申請も受け付けており、この場合は申請料が400円安くなる。

 海外旅行で大きな不安要素になるのが「言葉の壁」だ。父も「英語ができないからパッケージツアーじゃないと不安」だと話していた。だが、英語が得意でない筆者自身、実際に大切なのは語学力そのものよりも“慣れ”だといえる。  逆の立場で考えて、インバウンドの観光客が駅のホームで「シブヤ!  シブヤ!」と身振り手振り、ニコニコ笑顔で質問してきたら、力になろうと思うはずだ。  日本人の真面目な性格は、海外では裏目に出がち。慣れないうちは筆者自身もオドオドビクビク会話してたが、笑顔を意識するようになってから、『みんな優しく助けてくれるし、なるようになるな』と思うようになった。最悪の場合はスマホの翻訳アプリもあるし、そもそもトラブルも旅の醍醐味の1つ。その上で、最初の1回目の渡航は、旅慣れた人と一緒の方がいいかもしれないし、どうしても不安なら節約にはならないがパッケージツアーを選択してみるのもありだ。

 筆者も、父がガイド役を必要としていたらいつでも力になるつもりだ。 ■お金も時間も健康も「有限」…。後悔のない人生の選択を!   台湾旅行について父は「日本から飛行機で約4時間。体力的に少しシンドかった」と話しており、今年で35歳になる私は「健康って有限なんだな」とハッとさせられた。この先も父の体力が減っていくことを考えると、ヨーロッパなど遠くの国に行くなら「今」しかないだろうし、日本から7時間程度かかるタイやシンガポールなどの国々も、そう遠くない未来に「行きたくても行けなくなる日」がやって来るはずだ。


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 世界的ベストセラー本『死ぬ瞬間の5つの後悔』(新潮社)によると、男性が死ぬ瞬間に最も後悔するのは「働きすぎなければよかった」だそうだ。新卒入社した会社で40年以上も働き続けている父は、長い長いサラリーマンライフを振り返ったとき、現時点で「もっと家族との時間を大切にすればよかった」と後悔しているようだが……。仕事の打ち込み過ぎによる「親孝行不足」に後悔する日が、私を含めた20〜30代のビジネスパーソンに訪れない保証はない。

 海外旅行の「最初の1歩」が難しいことは、私も自身の経験から重々承知している。その一方で、海外旅行へ強い憧れを抱いている人の割合は、特に上の世代になるほど少なくないのではないか。  私が自由気ままに世界を飛び回って獲得した「旅人のスキル」が、本記事を通して全国のお父さんとお母さん。親孝行したい子供たち世代にお届けできたのなら、肉体派ライター(ウーバー配達員ライター)としてこれ以上の喜びはない。 【画像を見る】世界ってこんな感じ。夢の海外旅行の参考情報に、筆者が訪れた国々を見てみたい方は、ぜひこちらもご覧ください。

【筆者が5万円で海外旅行した記事はこちら】《北朝鮮》わずか“5万円”の裏技旅で北朝鮮を体感した30代男性。そこで見た衝撃の光景と、深く感じたこと

佐藤 大輝 :肉体派ライター・ウーバー配達員ライター

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