2025年インディ500《予選1》結果:佐藤琢磨が次ラウンド進出!最速はパロウ、アンドレッティは”ラスチャン”へ
第109回インディ500の予選1日目が現地時間2025年5月17日、インディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われ、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング / RLL)が9番手を記録し、翌日に実施される「トップ12予選」進出を決めた。
4台体制のRLL勢の中で最上位、そして唯一となる次ラウンド進出の快走を見せた佐藤。プラクティスでは連日にわたりトラブルに悩まされ、チームとしても厳しい状況が続いていただけに、スポット参戦ながら重要な局面で確実に結果を残すその走りは、2度のインディ500ウィナーとしての風格と実力を改めて示すものとなった。
4周平均最速スピードを記録したのは、今季ここまで5戦中4勝と圧倒的な強さを見せているアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)。233.043mph(約375.046 km/h)をマークし、インディ500初制覇に向けてさらに勢いをつけた。2番手と3番手にはチーム・ペンスキーのスコット・マクラフリンとジョセフ・ニューガーデンが続き、上位は実力者たちが占める形となった。
予選1日目は、午前11時から6時間にわたって行われ、熾烈な争いの末、グリッド中盤となる13~30番グリッドが確定した。気温約21℃、路面温度約38℃と前日の「ファスト・フライデー」よりも低温で、風速24〜32km/h、最大瞬間風速48km/hを超える強風が吹く難しいコンディションとなった。
佐藤を含む上位12台は、翌日に行われる「トップ12予選」に挑戦。ポールポジションを争う「ファスト6」進出を懸けて再びステアリングを握る。
マルコ・アンドレッティ、リーナス・ヴィーケイ、マーカス・アームストロング、ジェイコブ・エイベルの下位4名は、翌日の「ラストチャンス予選」に臨むこととなった。これは31〜33番グリッドの座をかけて争うもので、1台は予選落ちとなり、決勝レースを走ることはできない。
Courtesy Of Penske Entertainment
インディアナポリス・モーター・スピードウェイを周回するアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)、2025年5月17日第109回インディ500予選1日目
佐藤のチームメイトであるグレアム・レイホールは、予選終盤まで30番手の「バブルポジション」に位置し、緊張感に満ちた時間を過ごしていた。ただただ他の挑戦者たちの走行を見守るしかない状況だったが、アンドレッティによる渾身のアタックは、わずか0.0028秒及ばず。レイホールは土壇場で最後の予選通過枠を死守した。
「今日は出だしが悪かったけど、着実に改善できた。チーム全員が冷静に仕事をしてくれた。今夜のビールはきっと美味いだろうね」とレイホールは振り返った。
ルーキーのロバート・シュワルツマンは、オーバル未経験ながらも6番手という快挙を達成した。所属するプレマ・レーシングは、インディカー参戦初年度となる欧州拠点の新興チームであり、その条件を考えれば、この結果はまさに驚異的と言える。
コルトン・ハータ(アンドレッティ)は、最初のアテンプトのターン1でウォールに激突。マシンは裏返しとなり、火花を散らしながら路面を滑走する激しいクラッシュに見舞われた。これにより絶望的な状況に追い込まれたが、チームはわずか4時間足らずでショートオーバル仕様のバックアップカーを準備し、復帰への道を切り開いた。
そしてハータは、インストレーションラップすら行わずに全開でアタックを開始。その胆力と決断力が実を結び、見事29番グリッドを確保するという信じがたい復活劇を演じてみせた。
2025年の第109回インディ500は、スポーツ専門チャンネル「GAORA SPORTS」にて生中継される。「スカパー!」を通して視聴可能で、月額料金は1,320円(税込)となる。
予選2日目は5月18日(日)29時(=19日午前5時)より、「スカパー!番組配信」を通じて生配信される。決勝は5月25日(日)23時より、「GAORA SPORTS」及び「スカパー!番組配信」にて生中継・生配信される。
「スカパー!番組配信」は、契約中のチャンネルをスマートフォンやPCを通して、追加料金なしに視聴できるサービスだ。