エア・カナダ、米路線の予約が10%超減少 貿易摩擦が影響

カナダ航空大手エア・カナダのマイク・ルソー最高経営責任者(CEO)は、今後半年間の米国との間を結ぶ路線の予約が「10%台前半」の割合で減っていると述べた。2021年、オンタリオ州で撮影(2025年 ロイター/Carlos Osorio/File Photo)

[モントリオール 9日 ロイター] - カナダの航空大手エア・カナダ(AC.TO), opens new tabのマイク・ルソー最高経営責任者(CEO)は、今後半年間の米国との間を結ぶ路線の予約が「10%台前半」の割合で減っていると明らかにした。米国とカナダの貿易摩擦やカナダドル下落が影響した。

エア・カナダは8日、2025年12月期の調整後コア利益の見通しを引き下げた。25年第1・四半期(1─3月期)の1株当たり損失は0.45カナダドルと、市場予想の0.54カナダドルまでは膨らまなかった。これを受けて、株価は9日午前の取引で一時、10%以上上昇した。

エア・カナダはこれまで予約減少率に関して、業界の平均水準の10%程度の減少だと説明していた。ルソー氏はアナリストらに「不確実性への対応が第1・ 四半期の主題だった」と強調した。

トランプ米大統領による関税措置や、カナダが米国の51番目の州になるべきだといった発言を受け、カナダでは米製品のボイコットや米国への旅行のキャンセルが起きている。

エア・カナダは堅調な国際線路線も抱え、全般的な予約動向は安定している。米国に替わる旅行先となったメキシコやカリブ海地域を結ぶ路線は堅調だった。

米国内の低調な予約を背景に、北米の航空会社は業績見通しの撤回などに追い込まれている。運航便の削減やコスト管理強化によって、利益率の確保に努めている。

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