新型Dell XPS 14レビュー:Dellが作った「最もMacBookっぽいノートPC」

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

1月に開催されたCES 2026にて、Dellは「XPS」ブランドの復活を発表。同時に、新型XPS 14・XPS 16を発表しました。あまりに早い復活は、それだけXPSのネームバリューが強かったことの証。

そんなDell史上最薄のXPS 14、米Gizmodoがレビューしました。スリムな端末、長時間のバッテリーもち、ディスプレイのリフレッシュレート最大120Hzと魅力はいろいろあるものの、レビューをまとめると「Dellで過去イチMacBookぽい」なのです。

日本では、Dell公式サイトで基本構成モデル28万600円から。

やっぱりDellは自社版のMacBookを作りたいんだなって思いました。

去年、XPSの名を捨てて「Dell Pro」「Dell Pro Max」になった時も思いましたけれど、今回XPSブランド復活でさらにその思いが強くなりました。リブランディングしても結局そこを目指すのかと。では、XPS 14でDell版MacBookは実現できたのか…。

先に答えを言うと、できた。いや、ほぼできたですね。

高性能かつ接続ポート数に限りがあるところは、MacBookの中でもMacBook Air寄り。載っているチップは、もちろんIntelのPanther Lake、GPUコアも多くて、中程度のグラフィック負荷作業する人に最適です。

今回のレビュー端末

左:OLED&Intel Core Ultra X7モデル。右:IPS液晶&Core Ultra 7 355モデル。Image: Kyle Barr / Gizmodo US

レビュー端末としてDellから編集部に届いたのは2台。1台は1700ドルで、もっとスペックを上げたいと思わせるための比較用に送られてきたと言っても間違いではないかと。搭載CPUはCore Ultra 7 355。ディスプレイは1200pのIPS液晶です。

もう1台が本命であり、搭載CPUはCore Ultra X7 358H。MacBook Pro M5にはCPUベンチマークで劣るものの、内蔵GPUの性能は上。軽めのグラフィックタスクには十分です。

ディスプレイはOLED。メモリ32GBのストレージ容量1TB。ちなみに、ソルダリング(ハンダ付け)メモリなのでメモリ容量のアップグレードは不可能。価格は2200ドル。

14インチノートとしては、独立型GPU搭載のマシン、例えば類似メモリスペックのRazer Blade 14やM5 MacBook Proといい勝負。

キーボードとトラックパッドは慣れが必要?

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

2024年のXPS 14モデルのキーボードにあった光るファンクションキーの列は廃止。あれはかなり使いにくく、電源オフ時にいたっては音量ボタンがどれかもわからないレベルだったので、なくなって正解です。

また、前モデルでは「シームレス」の名の下にパームレストとの境目がわかりにくかったトラックパッドも、薄い2本ラインが追加されたことで、指先で認識可能に。

一方で、「シームレス」なキーボードはそのままで、各キーが隙間なく隣り合わせ。キーとキーの間がほんとにほぼないので(おやつのカスがつまらない利点はあるけど)誤操作が非常に多い。

ミスタイプが増えてイライラはしますが、練習すると、まぁマシにはなります。端末全体の見た目はキーボードを含めていい感じなので、この見た目のためにタイピングをどれだけ我慢できるかという話。

トラックパッドにも見た目 vs. 使い勝手問題があり、大きくてスムーズなのはいいですが、僕がタイピングでよく手のひらを置く位置と若干かぶっており、誤操作が発生しがち。

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

これらを除けば、操作はスムーズです。キー自体のタイピング感はコンパクトなノートにしてはクリック感あり。ハプティックフィードバックもやりすぎ感なくちょうどいい。

思いのほかスピーカーがいい

端末全体でいうと、厚さわずか14.6 mm、重さ1.36 kg。MacBook Airが厚さ11.3 mmの重さ1.24 kg。Airの冷却がパッシブクーリングなのに対し、XPSは静音ファン内蔵なので、サイズ的には納得。

スリムなボディは歓迎する一方で、残念なのはポート。XPS 14には、Thunderbolt 4 USB-Cが3つあるだけ。人によっては当然これでは足りません。ドックやらドングルやらさ。あと、Thunderbolt 5じゃないのもちょっと残念。

Image: Kyle Barr / Gizmodo USImage: Kyle Barr / Gizmodo US

OLEDモデルのディスプレイ縁のベゼルは比較的細めで、1080pウェブカムが納まったカットアウトあり。明るく電気効率のよいディスプレイは解像度2880 x 1800、タッチパネル、可変リフレッシュレートは最大120Hz。ディスプレイ照度は最大400nits。OLEDは当然ながら黒が深く、画質がシャープ。一方、これを液晶にすると1200pで、照度はちょい増します。

14インチなので、1人でエンタメを観るなら十分。誰かと観るなら、ぎゅっと肩を寄せ合って観ることになりますね。で、エンタメでいうと思いのほかスピーカーがいいです。10Wのクワッドスピーカーデザインで、3Wのスピーカー2つとツイーターが2つ。このサイズのノートでは珍しく、低音がかなりハッキリしていていいです。

ウェブカムもいい。編集部のビデオ会議では、僕の画質が圧倒的にクリアでした。

バッテリーもちでいうと、液晶モデルよりOLEDモデルの方がスタミナは落ちます。とはいえ、どちらも1日しっかり使えます

今回のレビューでは仕事でガッツリ使って(主にネット観覧と執筆、休憩中は閉じる)、6時間は優に使えました。バッテリー駆動時にはDellの最適化アプリを使い、端末が熱くなることもありませんでした。

MacBookとベンチマークで性能比較

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

タイムリーなことに、Panther Lakeアーキテクチャに注力したレビューも、このチップを搭載したマシンASUS Zenbook Duo(Intel X9 388H・16コアGPU)のレビューも、つい最近執筆したばかり。

Dellいわく、今後X9チップ搭載のXPS 14/XPS 16もリリース予定とのことですが、それがいつになるかは教えてもらえませんでした。

今回レビューした2モデルは、本命のIntel Core Ultra 7搭載モデルが負荷の高い作業を含む仕事向け、もう1つのモデルは一般的なネット観覧や文書作成といった軽作業中心の一般向けです。

Intel X9なら、M5チップ搭載のMacBook Proとも、実用性、生産性、グラフィック性能、ゲーム性能ともベンチマークで肩を並べるいい勝負なんですけどね。X7は勝てるところもあれば、及ばないところもあり。

X9とCPU性能を比較すると、シングルコアで100ポイント及ばず、マルチコアだと1000ポイントの差がつきます。が、前世代のフラッグシップチップIntel Core Ultra 7 288Vよりは上。

AppleとDellで比較すると、AppleのMチップが性能はちょい上。Geekbenchでは、IntelのミッドレンジCPUが、M4チップMacBook Airにシングルコアで800ポイント、マルチコアで1600ポイントも差をつけられています。

一方で、レンダリング性能をCinebench 2024ベンチマークで比較すると、マルチコアでX7 358Hの勝ち。でも、M5には300ポイント負け。Handbrakeベンチマークでは、4K動画の1080pへのエンコードにXPS 14は6分ちょいかかるのを、MacBook Airならわずか2分でした。

グラフィック作業は中程度、ゲームは軽め

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

CPU性能の裏には隠れた秘策、12 extra Xe3 GPUがあります。Blenderのレンダリングテストでは、Zenbook Duo(Arc B390 GPU)より数秒遅れるだけ。内蔵GPUのXPS 14、レンダリング作業ではめちゃ力を発揮するのです。

フル3Dグラフィックのレンダリングのポテンシャル性能を見る3DMarkのベンチマーク(Steel Nomadなど)では、Zenbook Duoに少し劣る程度。

レイトレーシングやライティングにもよりますが、XPS 14(Intel X7)はIntel X9には及ばないものの、M5チップよりは上。グラフィック性能でいうと、MacBookといい勝負しているのです

となると、ゲームはどうなの?って話ですが、画質を1080pから1200pまで落としていいなら、思ってるよりずっとありです。

『サイバーパンク2077』のプレイで、Intel Core X7 358H搭載のXPS 14は、M5チップ搭載の14インチMacBook Proとほぼベンチマークは同等。画質1200pのグラフィックHIGH設定で、フレームレートは31fps。

これはXeSS(Intelのアップスケーリング技術)「なし」のスコアなので、「あり」にすると50fpsまでいけます。

なお、『Horizon Zero Dawn: Remastered』のプレイでは、画質1200p/1080p、グラフィックHIGH設定、XeSSありで、フレームレート27fps。『黒神話:悟空』『Total War: WARHAMMER III』も似たようなところでした。

総評

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

まとめると、新型Dell XPS 14は中程度のグラフィック負荷作業をする人に最適なワークマシン。ただしキーボードには慣れが要りそうです。

もちろん性能でいえば、16インチのIntel Core Ultra X9 388H搭載モデルが気になります。とはいえ、X7チップも大健闘。

問題は思ったよりも高い価格でしょうか。Zenbook Duoはプラス200ドルでディスプレイが2枚になるし、M4チップのMacBook Airならメモリ容量が同等の構成で1400ドル程度。2025年の独立型GPUの14インチノートが同価格帯、ですね。

いいところ:明るいOLEDスクリーン、サイズの割に音がいい、バッテリーもち、グラフィックタスク向け、XPS復活嬉しい

残念なところ:キーボードに違和感、ポート少ない、もうちょい性能の高いノートと価格があまり変わらない

関連記事: