フェルスタッペン、モンツァを完勝。最強マクラーレンを下し、今後の勢力図にも異変?「マシンの理解が深まった」
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1イタリアGPを完勝。今季最強のマクラーレン勢に19秒の差をつけてトップチェッカーをつけた。しかも予選でもポールポジションを獲得しており、ポール・トゥ・ウイン達成となった。
今季開幕からマクラーレン勢が圧倒的な強さを見せており、チャンピオン争いはランド・ノリスとオスカー・ピアストリの一騎打ちの情勢だった。しかしモンツァで、フェルスタッペンが突如息を吹き返した。
予選ではF1史上最高の平均速度記録を更新するおまけもついてポールポジションを獲得。決勝では、スタート直後にコースオフしたため、一時ノリスに先頭を譲ったが、その後は引き離していく展開に持ち込み、圧勝して見せた。
これでフェルスタッペンは今季3勝目。以前勝った日本GPとエミリア・ロマーニャGPは、マクラーレン勢を抑え込み、僅差で逃げ切るというレースだったが、今回のイタリアGPはその2戦とは大きく異なり、かつてのような驚異的な強さを、フェルスタッペンは発揮してみせた。
「19秒差か……まあ、予想よりは良かったよね」
そうフェルスタッペンはそう語った。
「先頭に戻ってからは、自分のペースに集中しようとした。そしてそのまま順調に走り続けた。ミディアムタイヤでの最後の6〜8周は少し苦戦したけど、それまではまあまあ順調だった」
今季のフェルスタッペンはマシンの扱いに苦労してきた。しかし今回はそれも解消。挙動が好みに近づいたと、土曜日の段階から語ってきた。
「マシンは僕の好みに少し近づいた。今週末はマシンの挙動だけでも一歩前進したように思えるし、それがレースにも現れている」
「これは僕らにとって大きなプラスだった。もちろん、ミディアムタイヤからハードタイヤという通常の戦略を採った。マクラーレンはセーフティカーが出るのを待ってコースに留まるという賭けに出た。だから差は本来よりも少し開いてしまったと思う。それでも、僕らにとっては素晴らしい週末だった」
「以前はただマシンに乗っているというような感じだったけど、ようやくマシンのバランスが良くなり、タイヤも少しは正常な挙動を見せた」
大方の予想に反し、モンツァ戦を圧勝してみせたフェルスタッペン。今後も同じようなパフォーマンスを発揮できるかと尋ねられると、「それはコース次第」だと語ったものの、これまでのような苦戦からは脱却できた可能性があることも示唆した。
「まだコースの状況に多少左右されると思う。モンツァは求められるダウンフォースレベルが低い。我々のマシンは、低〜中程度のダウンフォースレベルの時の方が、マシンの競争力が少し高まるように感じる」
「突然調子が戻ってきたわけではないし、毎週末同じように戦えるわけではない。でもポジティブなのは、マシンをどう調整すればもっと競争力が上がるのか、少し理解が深まったということだ。この調子が今後のグランプリにも引き継がれ、コースによっても多少の差が出ることを期待している」
フェルスタッペンは、今回の表彰台は、今季最高の表彰台だったと語った。
「とにかく素晴らしいね。この声援を受けるのは、本当に嬉しい」
「もちろん彼らは全員……いやほとんどが、フェラーリを応援するためにここに来ている。残念ながら、彼らは表彰台には上がれなかったけど、大勢の観客が集まってくれる光景は、信じられないほど素晴らしかった。正直、今季最高の表彰台だったと思うね」
「観客は誰もが、本当に楽しそうだった。とにかく楽しい時間を過ごしているように見えた。その一部になれて、本当に良かったよ」
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