コマンドライン習得まで避けた方がいい、玄人好みの「Linux」ディストリビューション6選 - (page 2)

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2025-05-01 07:00

 Slackwareは市場で歴史あるLinuxディストリビューションの1つだ。非常に安定したOSの1つでもあるが、ユーザーフレンドリーなツールや自動アップデートといった標準的な機能は備えていない。さらに、Slackwareは「slackpkg」パッケージマネージャーを使用するため、新しいパッケージをインストールする前に古いパッケージをクリーンアップする必要がある。だが、Slackwareの最大の難点は、依存関係を自動的に解決する機能がないことだ(この点では、Gentooとよく似ている)。アプリストアを使ってアプリケーションをインストールすることに慣れているLinux初心者にとっては、このことが問題になるかもしれない。

 Slackwareを使用したければ、ほかのディストリビューションなら自動的に実行される操作について、多くのマニュアルページ(とその他のドキュメント)を読む必要がある。

5. 「NixOS」

 システムのあらゆる側面を設定することに抵抗がない人にとっては、NixOSは優れた選択肢だ。さらに、NixOSは独自のパッケージマネージャーを使用するため、ユーザーはシステムのあらゆる部分(UIやネットワーク、セキュリティなど)について、どのような動作を望むのかを考える必要がある。NixOSのもう1つの難点は、非フリーソフトウェアのインストールだ。幸い、NixOSはsearch.nixos.orgサイトを作成しているので、ユーザーはアプリを検索して、インストール方法を確認することができる。ただし、非フリーソフトウェアをインストールするには、/etc/nixos/configuration.nixでnixpkgs.config.allowUnfree = trueを設定する必要がある。

 少し手間をかければ、NixOSをセットアップして使用できるが、簡単ではない。

6. 「Void Linux」

 Void Linuxはほかのディストリビューションをベースにしておらず、一から開発されている。本記事で紹介した多くのディストリビューションと同様、Voidも独自のパッケージマネージャー(「xbps」)を使用する。xbpsはArchのpacmanに似ている。アプリケーションをインストールするには、sudo xbps-install -S gitのようなコマンドを実行する。xbpsの興味深い特徴の1つは、ソースコードからのインストールも可能であることだ。それを行うには、リポジトリーをクローン(またはソースコードをダウンロード)し、以下のコマンドでパッケージをビルド/インストールする。

./xbps-src pkg PACKAGE
sudo ./xbps-src install PACKAGE

 PACKAGEはインストールするパッケージの名前だ。Void Linuxは「Flatpak」をサポートするため、これに関しては、ある程度ユーザーフレンドリーである(ただし、便利なGUIはない)。

 Void Linuxのもう1つの問題は、システム/サービスマネージャーとしてsystemdを採用していないことだ。このことは実際には利点だと考える人もいるが、Linux初心者は、ウェブ上の情報の多くがsystemdに関するものであることに気づくはずだ。「OpenRC」に関するドキュメントを見つけるのは、それほど簡単ではない(OpenRCの「init」システムも使いやすくはない)。

提供:Mike Hill/Getty Images

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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