スロバキアとハンガリー、EUのロシア産ガス輸入停止に反対表明
スロバキアとハンガリーは7日、欧州連合(EU)欧州委員会が公表したロシア産ガスなどの段階的な輸入禁止提案に関し、EUにとって打撃になるなどとして反対する姿勢を表明した。写真はスロバキアのフィツォ首相。ブラチスラバで4月撮影(2025年 ロイター/Radovan Stoklasa)
[7日 ロイター] - スロバキアとハンガリーは7日、欧州連合(EU)欧州委員会が公表したロシア産ガスなどの段階的な輸入禁止提案に関し、EUにとって打撃になるなどとして反対する姿勢を表明した。ロシアとの関係を巡り、両国と欧州委の亀裂が一段と深まった。
欧州委は6日、ロシア産のガスと液化天然ガス(LNG)の輸入を2027年末までに段階的に停止することなどを盛り込んだ提案を打ち出した。
これに対し、スロバキアのフィツォ首相は、第三国へのエネルギー依存を減らす取り組みを尊重するとしながらも、欧州委の提案はEUに打撃を与え、域内の物価を押し上げ、競争力を損なうと指摘。欧州委提案が法制化される過程で修正を働きかける考えを示した。
スロバキアのガス輸入大手SPPは「EUの企業部門の競争力に著しい悪影響を与える可能性がある」とする声明を発表した。
ハンガリーのシーヤールトー外相もEU案は「受け入れられない」とし、ハンガリー政府はこの計画に対して「可能な限り強力な措置を取る」と表明した。ただ、詳細には言及しなかった。
欧州委は6月に法制化を提案する予定。法制化は欧州議会および加盟国の特定多数の承認があれば可能で、1カ国もしくは2カ国の反対では阻止できない。
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