上腕二頭筋を成長させたいなら「カール」が必須! 最新科学で明らかになった効果的なアプローチ法

スポーツ科学誌『Sport Sciences for Health』に掲載された研究では、ダンベルロウとダンベルカールを比較し、それぞれがもたらす急性的な筋肉量の変化(いわゆる筋膨張=パンプ)と慢性反応(長期的な筋肥大)を調査している。

パート1:短期効果の測定 トレーニング経験のある成人男性16名が対象。片腕でダンベルカール、もう片腕でダンベルロウをそれぞれ4セット×8~12レップの限界まで、一度だけ行う。 パート2:長期効果の測定 トレーニング未経験の成人男性9名が対象。片腕でダンベルカール、もう片腕でダンベルロウをそれぞれ4~6セット×8~12レップを週2回、8週間継続して行う。 被験者はそれぞれ両腕を異なる方法で鍛えることになるため、カールとロウの効果を直接的に比較することができる。短期的にはワークアウト前後の「パンプ」を測定し、長期的には最終セッションの3日後の筋肉量を超音波で測定することで、一時的な筋膨張(パンプ)と、実際の筋肥大との関係を調べた。

【短期的変化(筋膨張/パンプ)】 ワークアウト後の上腕二頭筋の筋膨張は、ダンベルカールの方が大きいことが明らかになった。 ・肩付近:平均19%増加 ・肘付近:平均16%増加 一方、ダンベルロウではそれぞれ平均13%と12%にとどまった。この差は統計的にも有意である。 【長期的変化(筋肥大)】 8週間のトレーニングの後、 ・ダンベルカール:肩付近で平均5%、肘付近で平均11%の筋肥大 ・ダンベルロウ:肩付近で平均5%、肘付近では平均1%(ほぼ変化なし) どちらの運動も筋肥大をもたらしたが、特に上腕二頭筋下部(肘付近)ではカールが圧倒的に優勢という結果だった。


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ロウなどのコンパウンド種目は全身を効率的に鍛える優れたトレーニングだが、上腕二頭筋の成長を狙うならカールは欠かせない。可動域が広く、筋肉がストレッチされた状態でより大きな張力を得られる点が、その理由の一つと考えられている。 もちろんロウにも利点はある。背筋を鍛えながら上腕二頭筋も同時に刺激できる「お得な」動きだ。だが、上腕をバランスよく発達させたいなら、「ロウだけ」では限界があることをこの研究は示している。 ただし留意すべき点として、短期的な実験ではトレーニング経験者が、長期的な実験では未経験者が対象となっている。そのため、経験者における長期的な差は今後の研究が待たれる。 出典:Men's Health

この研究が示すのは、「パンプ」を追い求めるのもいいが、それが必ずしも長期的な筋肥大をもたらすわけではないということだ。パンプは一時的なものに過ぎない。 本当に筋肥大をもたらすために必要なのは、可動域を広く使い、継続的に負荷をかけ続けることだ。上腕二頭筋はロウなどのプル系の動作でそれなりに鍛えられるものの、バランスよく筋肉を鍛えるにはカールをおろそかにしてはいけないということが、この研究によって示されている。

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