無罪が確定したのに“共犯扱い” 「何のために無罪をとったんだろうという気持ち」 中区新栄のマンションのクローゼットから遺体が見つかった事件 検察は被告の女に無期懲役を求刑
「すごく大変な思いをして勝ち取った無罪だったので、他の裁判で自分がやった体で進められているというのは、本当に心外」こう話すのは小山直己さん。死体遺棄の罪で起訴され、去年、裁判で無罪が確定しました。
にもかかわらず、その無罪判決をなかったことにするような理不尽な事態が起きているのです。
発端は3年前の事件。名古屋市中区新栄のマンションのクローゼットから、この部屋に住む阿部光一さん(当時42)の遺体が見つかりました。逮捕されたのは、阿部さんの店の元従業員、内田明日香被告(32)。
阿部さんの首を絞めて殺害し、現金や指輪など時価7400万円相当を奪った強盗殺人と死体遺棄の罪で起訴されました。
この内田被告が「2人で遺体をクローゼットに隠した」と供述したため、小山さんは死体遺棄の疑いで逮捕・起訴されたのです。「自分は一切関わっていない」と一貫して主張していた小山さん。一審で無罪となり、検察は控訴を断念。去年3月に無罪が確定しました。しかし先月、名古屋地裁で開かれた内田被告の裁判で、検察が読み上げた起訴状には…「被告人は(中略)小山直己と共謀の上(中略)死体を遺棄したものである」
無罪が確定したにもかかわらず、小山さんを“共犯者”としたまま、内田被告の裁判が続くこととなったのです。
その裁判で、証人尋問に立った小山さんに検察は…検察「被告によるとこの日、死体を遺棄したと」小山さん「していないです」検察「北の洋室には入りましたか?」小山さん「見ていないし入っていないです」“共犯”について再び問われることに。なぜこのように理不尽な事態が起きているのでしょうか。検察はその理由について明らかにしていません。小山さん「また同じような質問をされるわけじゃないですか。なんでまた疑われなあかんの」
「何のために無罪とったんだろうという気持ち」
18日に行われた内田被告の裁判。最後に伝えたいことがあるか問われると「今回のことは深く反省し、私の心に刻んで生活していきたい。本当に申し訳ありませんでした」と答えました。検察は「金品を得るためなら他人の命を奪うことにためらいのない、極めて自己中心的な犯行」などとして無期懲役を求刑。一方の弁護側は「強盗殺人は成立せず、死体遺棄と占有離脱物横領の罪のみ成立する」として寛大な判決を求めています。
判決は3月6日に言い渡されます。