三屋裕子氏がJBA会長を退任…「シャベルを持って芽を育ててきた」激動の9年3カ月に感謝
14時間前
JBA会長を退任した三屋氏[写真]=Getty Images
9月27日、日本バスケットボール協会(JBA)は、三屋裕子氏が会長職を退任したことを発表した。2016年6月の就任以来、5期・9年3カ月にわたって日本バスケットボール界をけん引してきた功労者が、その任を終えることになった。後任には、同日Bリーグチェアマンでもある島田慎二氏が就任する。
三屋氏は退任に際し、「川淵(三郎)さんが制裁という困難を乗り越え種をまいた新たな日本のバスケットボール界を、川淵さんが発揮してきた重機のようなパワーは私にはないけれど、今度は自分がシャベルを持ってきめ細かく、着実に成長の芽を育てていきたい」と、就任当初の会見で語った決意を振り返った。コロナ禍での活動をはじめ、数々の困難に直面しながらも、その言葉通りに日本バスケ界の着実な成長を力強く後押し。「時に苦しかったり歯がゆい思いをしたりしたこともたくさんありました。それでも、どんなときでも私なりに最善を尽くし、それらを上回る喜びや充実感を感じてきた9年間でした」と、激動の日々を総括した。
三屋氏の在任期間中、日本バスケットボール界は数々の歴史的な金字塔を打ち立てた。男女5人制と3x3の4カテゴリーすべてが東京2020オリンピックに出場を果たし、特に5人制女子日本代表はオリンピック史上初となる銀メダルを獲得。2019年には3x3のU23女子日本代表が「3x3 FIBA U23ワールドカップ」で日本バスケ界史上初の世界一に輝き、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」では5人制男子日本代表が沖縄の地で歴史的勝利を重ね、パリオリンピックへの出場権を獲得するなど、日本中を巻き込む熱狂を生み出した。
三屋氏は、スポンサー、メディア、そしてファンをはじめとする「バスケットボールファミリー」への深い感謝を述べた上で、「今後の日本バスケットボール界は、島田慎二新会長の下、新たなフェーズに入ります。『バスケで日本を元気に』の実現に向け、“日本一丸”となってますますの発展を遂げていただくことを心より期待しています」と、新たな体制へエールを送った。
なお、JBA会長職からは離れるものの、国際バスケットボール連盟(FIBA)の役員は引き続き務めるという。「これまでとはまた違った視点で、微力ながら日本のバスケットボール界のためにお役に立っていきたい」と、今後も形を変えて日本バスケ界に貢献していく意向を示した。
■三屋裕子 前会長 退任コメント全文 「本日開催した2025年度7月-6月期JBA定時評議員会をもちまして、会長を退任いたしました。2016年6月に会長職に就いて以来、5期・9年3か月の長期にわたり、多くの皆様に支えていただきながら無事にこの日を迎えられたことにつきまして、感謝の気持ちとともに安堵の気持ちで一杯です」
「2016年、私が前任の川淵(三郎)会長からその任を引き継ぐ記者会見で、『川淵さんが制裁という困難を乗り越え種をまいた新たな日本のバスケットボール界を、川淵さんが発揮してきた重機のようなパワー私にはないけれど、今度は自分がシャベルを持ってきめ細かく、着実に成長の芽を育てていきたい』というようなお話をさせていただいたことを思い出します」 「振り返りますと、コロナ禍での活動をはじめ、時に苦しかったり歯がゆい思いをしたりしたこともたくさんありました。それでも、どんなときでも私なりに最善を尽くし、それらを上回る喜びや充実感を感じてきた9年間でした。とりわけ、男女5人制と3x3の4カテゴリーすべてが東京オリンピックに出場を果たし、5人制女子代表がオリンピック初の銀メダルを獲得したこと、また、3x3のU23女子代表が2019年の3x3FIBAU23ワールドカップで日本バスケットボール界史上初の世界一の座を得たこと、さらに沖縄で開催したFIBAワールドカップ2023で5人制男子代表が世界の強豪としのぎを削ってパリオリンピック出場権を獲得し、日本全体を巻き込んでの熱狂が起こったことなどは、昨日のことのように覚えています」
「私がこれまで会長職を全うできたのは、各都道府県協会、関連団体、スポンサー各社様、メディアの皆様、そしてなにより日本中の多くのファンの皆様など、バスケットボールファミリーの皆様のおげです。ここで改めて皆様に感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました
「今後の日本バスケットボール界は、島田慎二新会長の下、新たなフェーズに入ります。2030年にはJBA創設 100 周年という大きな節目も控えています。「バスケで日本を元気に」 の実現に向け、“日本一丸” となってますますの発展を遂げていただくことを心より期待しています」
「私は本日をもってJBAからは離れますが、一方でFIBAの役員の立場は引き続き務めていくことになります。これまでとはまた違った視点で、微力ながら日本のバスケットボール界のためにお役に立っていきたいと考えております。 皆様方におかれましては、今後も引き続き新生JBA並びに日本のバスケットボール界へのご声援・ご理解とご助力をお願いいたします。重ねまして、本当にこれまでのご支援とご協力に心から感謝申し上げます」