25年3月の5G基地局の数、ドコモはau・ソフトバンクの半分――総務省調査

 総務省は13日、「令和7年度携帯電話及び全国BWA等に係る電波の利用状況調査」の調査結果を公表した。今回の調査から、スマートフォンと衛星が直接通信する「衛星ダイレクト通信」も新たに対象に加えられ、「令和7年度衛星ダイレクト通信に係る電波の利用状況調査」の結果もあわせて公表された。

 調査結果によると、2025年3月末時点における5G基地局数は30万2118局で、前年度から約4.2万局増加した。総務省では、Sub6帯(3.7GHz帯/4.0GHz帯/4.5GHz帯)の人口カバー率が大きく伸びたとしている。

 また、5G SA(スタンドアローン)に対応した基地局は、前年度から約5.1万局増加し、15万5721局となった。これは、5G基地局全体の半数以上を占める規模となる。

 通信量(トラフィック)の面でも変化が見られた。移動通信システム全体のトラフィックが増加傾向にある中、5Gのトラフィック増加が顕著となっている。一方、ミリ波(28GHz帯)についてはトラフィックの伸びが小さく、依然として低い水準にとどまっている点が課題として浮き彫りになった。

 2025年3月末時点における携帯電話事業者別の5G基地局数は、KDDIが11万37局、ソフトバンクが10万4441局となり、いずれも10万局を超えた。一方、NTTドコモは5万2532局、楽天モバイルは3万5108局にとどまり、先行する2社との間には数値上の差が見られる結果となった。

 特にKDDIは、Sub6帯の基地局数が4万1596局に達しており、ドコモ(3万3543局)やソフトバンク(1万2541局)を上回る構成となっている。

 基地局数では劣勢に見えるドコモだが、2025年度に入ってから巻き返しを図っている。同社の2025年11月決算説明会では、「2023年度末と比べ、2025年度上期末時点の5G基地局数は約1.3倍になった」と説明された。

2025年11月ドコモ決算説明会の資料

 この内容と今回の総務省の調査データを照らし合わせると、ドコモが急ピッチで整備を進めている状況がうかがえる。調査結果に記載された2023年度末時点のドコモの基地局数(4万6294局)を基準に「約1.3倍」を当てはめると、2025年9月末時点の基地局数はおよそ6万局と推計される。2025年3月末時点からの半年間で、約7500局を積み増した計算となる。

 さらにドコモは、2025年度下期の基地局建設数を「上期の3倍」にする計画を掲げている。上期の実績をもとに試算すると、下期だけで2万局以上の純増が見込まれることになり、年度末が近づく中で、ドコモの5G基地局数が7万~8万局規模に達する可能性もありそうだ。

2025年11月ドコモ決算説明会の資料

 3Gについては、KDDIが2022年3月、ソフトバンクが2024年4月(石川県のみ7月)にサービスを終了しており、空いた周波数の4G転用が計画を上回るペースで進んでいることが報告された。

 また、複数の携帯電話事業者が通信設備を共用する「インフラシェアリング」については、5G基地局のうち約16.5万局で実施されており、通信各社が協力しながらエリア展開を進めている状況が明らかにされた。

 今回の調査では、新たに導入された「衛星ダイレクト通信システム」に関する結果も公表された。KDDIは、2025年4月10日から一般消費者向けに「au Starlink Direct」としてサービス提供を開始している。

 調査結果によると、衛星ダイレクト通信と地上の携帯電話網を組み合わせることで、人口カバー率および面積カバー率(一部離島を除く)は全国で「100.00%」を達成した。これにより、これまで基地局の整備が困難だった山間部や海上、離島などでもSMSやデータ通信が可能となり、遭難時や災害時における通信手段の確保として大きな期待が寄せられている。

 衛星ダイレクト通信で提供されるサービスは、当初はSMSおよびRCSから開始され、2025年8月28日からはデータ通信の提供も開始。対応可能な端末数は、2025年8月1日時点で約900万台に上るとされている。

 このシステムは、携帯電話用に割り当てられた周波数の一部(5MHz幅)を利用して運用されており、地上の通信状況に応じて柔軟にサービスを提供できる仕組みとなっている。

【お詫びと訂正 2026/01/14 15:56】  NTTドコモのSub6帯の基地局数に誤りがありました。正しくは1万2045局です。お詫びして訂正いたします。

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