市況 - 株探ニュース
株式評論家 植木靖男
東京市場は2月末にかけて日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)ともに4連騰を演じ、史上最高値を更新した。まさに2月の上昇相場は輝かしい舞台であったと言えよう。だが、3月に入ると一気に暗転して両指数は3日連続で急落。しかもチャートは、仮に3月5日に窓を空けて崩れれば天井形成となったはず、という極めて危うい状況だった。幸いなことに、中東情勢の先行き不透明感から製造業など外需株に売りが広がるなかで、内需株が買われ、ぎりぎりで踏ん張った。出遅れ株の修正高が相場を支えた形である。
こうした展開はしばらく続くとみてよい。結果として全体観ではなおも上昇基調は崩れていないと判断される。 一部報道によると、トランプ米大統領によるイラン攻撃は、その狙いであったイランの体制転換の行方は依然として不透明であり、戦争の幕引きの形が見えないとしている。一方で、この戦争は短期決戦型であり、米国はベネズエラと同様にイランの石油権益を掌中に収め、株式市場の上昇基調にも変化なし、とする強気の見方もあるようだ。 こうした混沌とした状況下では、今後の展開は結局「相場に聞く」しかないのかもしれない。だとしたら、3月5日の反発と、それに続く6日の上昇は、先行きに期待を持たせるものとなる。 ところで、市場の一部にはコメの価格上昇がピークを打ち、先行きのインフレ期待も薄れたとの見方がある。だが、ホルムズ海峡の閉鎖により、原油価格が足もとで急騰。円安と金利上昇が進む中で、インフレへの懸念はさらに強まらざるを得ないだろう。やはり、更なるインフレへの道程は続くとみたい。 ●全般下落の中での「逆行性」が手掛かりに当面の物色対象はどうみればよいのか。やはりインフレへの道を歩むとすれば、柱は内需株になると思われる。年初来の株高を牽引してきたのは半導体関連だが、ここへきて売りが優勢となる場面がみられる。逆に内需株は中東情勢の影響も比較的小さく、業績は安定している。ただし、テクノロジー株の人気も侮ることはできず、時に急反発するだけに、大きく下げた局面では拾うことも一考したい。
そこで今回は市場人気、業績、先行き期待度、売買高などを考慮すると、次のような銘柄が面白いかもしれない。足もとで日経平均株価、TOPIXともに大きく下げたが、これらの銘柄は全般相場の下落に対して逆行性も目立つ。例えば、東京ガス <9531> [東証P]だ。材料性や含み資産で注目したい。新鋭銘柄では逆行性は乏しいが、Aiロボティクス <247A> [東証G] の相場の若さに注目したい。リガク・ホールディングス <268A> [東証P] も同様の観点で追ってみたい。
事業のユニークさ(特異性)では弁護士ドットコム <6027> [東証P]やオンコリスバイオファーマ <4588> [東証G]がある。
またテクノロジー株ではNEC <6701> [東証P]、富士通 <6702> [東証P]も、出遅れ感から回復が目立ってきた。注目したい。
繰り返しとはなるが、日経平均株価が大幅に下落したこの局面で、逆行高を見せ始めている銘柄は今後の投資対象として十分に精査すべきと筆者は考えている。 2026年3月6日 記 株探ニュース