【GPU選び】GeForceとRadeonは何が違う?初めてGPUを買うならどちらを選ぶべき?(スマホライフPLUS)
NVIDIA (GeForce)の代表的な製品はRTX 50シリーズ、AMD (Radeon)の代表的な製品はRX 9000シリーズです。それぞれ詳しくご紹介します。 ■NVIDIA GeForce RTX 50シリーズ NVIDIAの最新世代は「Blackwell」アーキテクチャを採用したRTX 50シリーズです。前世代からAI性能とレイトレーシング性能をさらに強化し、市場のリーダーとしての地位を固めています。 特にRTX 5090は、現行最強のコンシューマー向けGPUであり、ハイエンドモデルに相当します。4K解像度はもちろん、8Kゲーミングや高負荷なAI・クリエイティブ作業をこなす、妥協を許さないユーザー向けのフラッグシップモデルです。 なお、RTX 5090の価格は約40万円となっています。 ■AMD Radeon RX 9000シリーズ 対するAMDの最新世代は「RDNA 4」アーキテクチャを採用したRX 9000シリーズです。今世代のAMDはNVIDIAのRTX 5090のような超ハイエンド市場への製品投入を見送り、より販売ボリュームの大きいメインストリームからアッパーミドル市場に注力する戦略を取っています。これにより、多くのゲーマーにとって魅力的なコストパフォーマンスの高い製品が揃っています。 特に『RX 9070 XT』はRX 9000シリーズの最上位モデルであり、NVIDIAのRTX 5070 Tiと競合する性能を持ちながら、より競争力のある価格設定が特徴です。
GeForceとRadeonの性能面の違いを、ゲーム性能、映像表現、それ以外から見ていきましょう。 ■純粋なゲーム性能(ラスタライゼーション) ラスタライゼーションとは、3Dモデルを2Dのピクセル(画素)に変換する伝統的な描画方式で、現在もほとんどのPCゲームの根幹をなす技術です。したがって、この性能は「GPUの基本的な地力」を示す指標と言えます。 結論から言えば、こうしたGPUの基本的な性能においてはAMD Radeonが近年、追い上げを見せており、「価格あたりのフレームレート」という指標で非常に魅力的な選択肢を提示しています。 レイトレーシングのような最新機能よりも、まずは基本的なゲーム性能をできるだけ安く手に入れたい、と考えるコストパフォーマンス重視のゲーマーにとって、Radeonは非常に有力な候補となるでしょう。 ■最先端の映像表現(レイトレーシング) レイトレーシングは、光の挙動を物理的にシミュレートすることで、現実世界のようなリアルな反射、影、光の屈折を再現する最先端のグラフィックス技術です。これにより、ゲームの没入感は飛躍的に向上しますが、その代償として極めて高い計算負荷がかかります。 このレイトレーシング性能においては、依然としてNVIDIA GeForceが優位に立っています。NVIDIAは、この技術が普及する初期段階から「RTコア」と呼ばれる専用のハードウェアをGPUに搭載してきました。世代を重ねるごとにこのRTコアは進化しており、極めて効率的にレイトレーシング処理を実行します。 一方、AMDもRDNAアーキテクチャに「Ray Accelerator」というハードウェアを搭載し、世代を追うごとに性能を大幅に向上させています。とはいえ特に高負荷なレイトレーシングを最高設定で快適にプレイしたい、という要求に対しては、NVIDIAに軍配が上がるのが現状です。 ■ゲーム以外の性能(クリエイティブ&AI) クリエイティブおよびAI分野では、NVIDIAが圧倒的に有利な状況です。その最大の理由は、同社が開発した並列コンピューティングプラットフォーム「CUDA(クーダ)」の存在です。CUDAは、GPUの膨大な計算能力を汎用的なタスクに活用するためのソフトウェア開発環境であり、長年にわたって多くのプロ向けソフトウェアがCUDAに最適化されてきました。 Adobe Premiere ProやDaVinci Resolveといった動画編集ソフト、Blenderなどの3D制作ツール、そしてTensorFlowやPyTorchといった主要な機械学習フレームワークなど、業界標準のツールの多くがCUDAによる高速化に対応しています。これにより、GeForceユーザーはレンダリング時間の短縮やAIモデルの学習速度向上といった直接的な恩恵を受けられます。情報量やコミュニティの大きさも圧倒的で、トラブルシューティングのしやすさも魅力です。本格的にPCでクリエイティブな作業やAI開発を行いたいのであれば、現状ではNVIDIA GeForceが最も堅実で強力な選択肢と言えます。