「インドが好きだからずっといさせて」 ヘビが棲みつく洞窟でロシア人母子3人発見 /印カルナータカ州

 インド南部のある洞窟で、幼い娘2人と一緒に暮らしていた外国人女性が現地警察に発見された。この女性は警察に「私はインドを愛しているので、ずっとインドにいさせてほしい」と頼んだとのことだ。インド紙「インディアン・エクスプレス」や米紙「ニューヨーク・タイムズ(NYT)」などが15日に報道した。

【写真】インドの洞窟で発見されたロシア人女性と2人の娘

 報道によると、カルナータカ州のゴカルナ警察は、ロシア人女性ニーナ・クティナさん(40)と娘2人(6歳と4歳)が洞窟で暮らしているのを9日に発見したという。母子は14日、非営利団体が運営する女性保護所に引き渡された。

 発見のきっかけは、土砂崩れが頻繁に発生している地域を警察がパトロールしていた際、茂みの中にヒンドゥー教の神像が置かれているのに気づいたことだった。これを不思議に思った警察が辺りをよく見ると、赤いサリー(インド人女性の伝統衣装)で作ったカーテンが洞窟の入り口を覆っているのを発見した。洞窟の中には成人女性 1 人と小さな女の子2 人がいた。それがクティナさんと2人の娘だった。

 クティナさんは「私たちは自然の中で生き残るため、とてつもない経験をした。私は子どもたちを死なせないよう、ジャングルに置き去りにするようなことはしなかった。私たちは滝で泳ぎ、絵を描き、粘土で物を作り、おいしい食べ物を作って食べ、よく寝て、快適に過ごした。幸せだった」と語った。

 そして、「自然と調和し、広々とした空の下で暮らしている間、ヘビや動物たちも私たちに危害を加えなかった。私たちが恐れていたのは人間だけだった」「9カ月間で私たちが見たヘビはせいぜい4匹だ。ヘビが群れを成して誰かを攻撃するようなことはなかった」と言った。

 クティナさんは警察に「私はインドを愛しているので、ずっとインドにいさせてほしい」と頼んだという。親族の送金だけで生活を続け、ときどき村に出て生活必需品を買う際は携帯電話を利用したとのことだ。

 警察の捜査の結果、クティナさんは2016年に6カ月間の事業ビザでインドに入国し、瞑想(めいそう)やヨガの修行などのために外国人が多く訪れるゴア州に向かった。そこでロシア語を教える仕事をしていたが、ビザ期間満了後もさらに1年滞在していたことが当局に発覚した。その後、90日間の観光ビザを取得し、隣国ネパールへ行った。

 クティナさんはロシアで生まれたが、15年間にわたり故国に行っていないという。その間、ウクライナ・マレーシア・インドネシア・タイ・コスタリカなど複数の国々を訪れた。クティナさんは2020年初め、今は期間が満了した観光ビザでインドに再入国した。

 当局は、クティナさんと 2 人の娘をロシアに送還するための作業を進めている。

チョン・アイム記者

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