トランプ氏、ウクライナ和平の進展期待 ゼレンスキー氏と会談
[パームビーチ(米フロリダ州)29日 ロイター] - トランプ大統領は28日、米フロリダ州の私邸マールアラーゴでウクライナのゼレンスキー大統領と会談、ロシアとの戦争終結の合意に「かなり近づいた」としたが、ウクライナ東部ドンバス地方が依然重要な未解決問題だと認めた。
トランプ氏とゼレンスキー氏は共同記者会見で、ウクライナの安全保障と、ロシアが掌握を目指しているドンバス地方の分割という2つの問題で進展があったと報告した。
詳細をほとんど明らかにせず、和平合意締結の期限も示さなかった。しかしトランプ大統領は、戦争終結に向けた交渉が成功するかどうかは「数週間以内に」明らかになると述べた。また、領土をめぐるいくつかの「厄介な問題」を解決しなければならないと述べた。
ゼレンスキー氏は、ウクライナへの安全の保証について合意に達したと述べた。トランプ氏はやや慎重な姿勢を示し、合意に向けて95%の進捗状況にあるとし、米国の支援のもと欧州諸国がこの問題への取り組みで「大きな部分」を担うと語った。
トランプ氏とゼレンスキー氏は28日の会談後、ドンバスの将来はまだ決まっていないという認識を示した。ただ、トランプ氏は協議が「正しい方向に進んでいる」とし、「未解決だが、かなり近づいている。非常に難しい問題だ」と述べた。妥協点を探る米国は、ウクライナが同地域から撤退した場合の自由経済圏の設置を提案しているが、これが実際にどのように機能するかは依然として不透明だ。
両首脳は、戦争終結後のウクライナへの安全の保証についてどのような合意に達したかについてもほとんど明らかにしなかったが、ゼレンスキー氏は、合意が「永続的和平に向けた重要な節目」とした。
ロシアはウクライナへのいかなる外国軍の派遣も受け入れられないとしている。
ゼレンスキー氏は、いかなる和平合意もウクライナ議会、あるいは国民投票による承認が必要だと述べた。トランプ氏は合意成立に必要であれば議会で説明する用意があると語った。
フランスのマクロン大統領は、トランプ氏とゼレンスキー氏の会談後にXへの投稿で、安全の保証に関して進展があったとし、いわゆる「有志連合」の参加国が1月上旬にパリで会合を開き、「具体的な貢献」を最終決定すると述べた。
ゼレンスキー氏はウクライナ軍が東部ドンバス地方から完全撤退するという米国の提案を和らげたいとこれまでに述べている。この提案はロシア側の要求でもあり、ウクライナ軍の支配する一部領土を割譲することを意味する。
欧州首脳らは28日の会談の少なくとも一部に電話で参加した。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は電話会談後、良好な進展が見られているという認識を示し、ウクライナには強固な安全の保証が必要だと指摘。
「欧州はこの進展を確固たるものにするため、ウクライナおよび米国のパートナーと引き続き協力する用意がある。この取り組みで最も重要なのは最初から揺るぎない安全の保証を確保することだ」とXに投稿した。
英国のスターマー首相の報道官は、欧州首脳が「強固な安全の保証の重要性を強調し、野蛮な戦争を可能な限り早期に終わらせる緊急性を再確認した」と述べた。
ロシア大統領府はトランプ氏の交渉に支持を表明。ロシアのドミトリエフ大統領特別代表はトランプ氏の和平努力を世界は評価していると述べた。トランプ氏とゼレンスキー氏の会談を受けて29日早朝にXに投稿した。
ウシャコフ氏は、プーチン氏がトランプ氏に対し、欧州連合(EU)とウクライナが提案した60日間の停戦は戦争を長期化させると伝えたと述べた。ウシャコフ氏はまた、ウクライナはドンバス問題に関して「これ以上遅滞なく」決定を下す必要があると指摘。さらに、ロシア政府は紛争解決のため、経済と安全保障上の懸念に焦点を当てた作業部会を設置することで合意したと明らかにした。
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Gram Slattery is a White House correspondent in Washington, focusing on national security, intelligence and foreign affairs. He was previously a national political correspondent, covering the 2024 presidential campaign. From 2015 to 2022, he held postings in Rio de Janeiro, Sao Paulo and Santiago, Chile, and he has reported extensively throughout Latin America.