米国株から顧客資金1900億円が流出、10週間ぶり高水準-BofA
Joel Leon
- S&P500種は6月30日に最高値更新-四半期では23年以来の大幅高
- S&P500種の回復が持続するかを巡り不透明感が広がっている
米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)の顧客が米国株から先週引き揚げた資金は、10週間ぶり高水準となった。S&P500種株価指数は6月30日に過去最高値を更新し、四半期ベースでも2023年以来の大幅な上げを記録した。
ジル・ケアリー・ホール氏らBofAのクオンツストラテジストが1日発表したリポートによれば、機関投資家、個人投資家、ヘッジファンドといった全ての主要顧客グループは先週、米国株から計13億ドル(約1900億円)を引き揚げた。
こうしたリスク回避姿勢の背景にあるのは、4月に関税を巡る懸念で下落していたS&P500種株価指数の回復が持続するかを巡り、不透明感が広がっていることだ。同指数は現在、2024年7月以降で最も買われ過ぎの水準近くにある。
業種別では、顧客グループは8業種で米国株を売り越した。売りの中心となったのは工業株と不動産株で、両セクターからは4週連続で資金が流出した。公益株は6週連続の売り越しとなった。
ホール氏は、現在議会で審議されているトランプ米大統領が掲げる税制・歳出法案が、公益株とクリーンテクノロジー関連株にとって逆風になる可能性があると指摘した。
一方、テクノロジー株は3週連続で、業種別で最大の資金流入となった。金融株や一般消費財株も買われたと、ホール氏は強調した。
「顧客は景気循環株よりもデフェンシブ銘柄を大きく売り越した」と同氏は指摘した。
原題:Bank of America Clients Ditch Stocks at Fastest Pace in 10 Weeks、US Stocks Saw Biggest Net Sale in 10 Weeks, Bank of America Says (抜粋)
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