M5搭載iPad Proベンチマーク結果まとめ、「前世代比でGPU演算性能4倍&グラフィックス性能45%向上」というM5の性能をチェック
2025年10月22日(金)に登場したiPad Proには、記事作成時点で最新のAppleシリコンとなるM5チップが搭載されています。このM5チップについて、Appleが「各コアにNeural Acceleratorを備えた次世代の10コアGPUアーキテクチャを導入し、GPUベースのAIワークロードの実行を劇的に高速化し、M4と比較して4倍を超えるピーク時のGPU演算性能を発揮します」とアピールしているので、果たしてM5はどれだけの性能なのかを確かめるべく、M5搭載iPad Proでさまざまなベンチマークを走らせてみました。
iPad Pro - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/ipad-pro/ 今回購入したのはWi-Fiモデルの1TBで、本体カラーはスペースブラック。内容物と外見は以下の記事でレビュー済み。M5搭載iPad Pro開封の儀&外観フォトレビュー、中身は進化するも見た目は前世代と変わらない - GIGAZINE
◆Geekbench 6でCPUとGPUのパフォーマンスを測定 まずはGeekbench 6でCPUとGPUの性能を測定してみました。以下のベンチマークはすべて、室温23度・湿度20%の環境で、OSのバージョンはiPadOS 26.0.1で行っています。
「Geekbench 6」をApp Storeで
https://apps.apple.com/jp/app/geekbench-6/id1565728895 CPUベンチマークの結果は、シングルコアパフォーマンスのスコアが4144、マルチコアパフォーマンスのスコアが1万6531でした。なお、Geekbench 6の「CPU Information」を見ると、1TBモデルに搭載されているM5のCPUは4コア+6コアの計10コア構成。また、メモリ容量がわかる「Memory Information」には「15.1GB」とあったので、搭載メモリは16GBとみられます。Geekbench 6で同じ4コア+6コア構成のM4搭載iPad ProのCPUパフォーマンスを測定した結果では、シングルコアが3736、マルチコアが1万4667でした。Geekbench 6のスコアだけを見れば、M5搭載iPad Proは前世代と比較して、シングルコア・マルチコアともにパフォーマンスが約10%向上したといえます。 Geekbench 6のGPUベンチマークも行ったところ、スコアは7万4657でした。前世代のベンチマーク結果は5万3211だったので、M5搭載モデルのスコアは約40%伸びています。
◆Geekbench AIでM5搭載iPad ProのAI性能を測ってみる デバイスのAI性能を計測するGeekbench AIで、CoreML+Neural Engineのフレームワークで測定した結果が以下。スコアは、Single Precision(単精度・FP32)が5304、Half Precision(半精度・FP16)が4万1384、Quantized(量子化演算)が5万7044でした。Geekbench公式のランキングボードによると、M4搭載iPad ProのCoreML+Neural Engineでのベンチマーク結果は、Single Precisionが約4900、Half Precisionが約3万6000、Quantizedが約5万1000だったので、M5搭載iPad Proのスコアは全体として10%~15%向上していることになります。
内訳はこんな感じ。
◆Antutu benchmarkによるベンチマーク結果 CPU・GPU・メモリ・UXの4項目について計測して総合評価を行う「AnTuTu Benchmark(安兔兔评测)」でもベンチマークを行ってみました。
「安兔兔评测」をApp Storeで
https://apps.apple.com/jp/app/id803837129iPadOS 26ではウィンドウ表示が可能になったので、ベンチマーク中に再生されるムービーが縦持ちだと以下のように表示されていました。
総合スコアは330万5598でした。M4搭載iPad Proでの263万8653という計測結果と比較すると、大きくスコアを伸ばしています。
内訳はこんな感じ。Antutu Benchmarkだと、特にCPUでのパフォーマンススコアが約30%向上という伸びをみせています。
◆M5搭載iPad proと前世代のM4搭載iPad Proで画像生成AIの出力時間や動画の書き出し時間を比べてみた AIパフォーマンスについて、具体的にM4と比べてどれだけあがったのかを確かめるべく、iPhoneやiPadでローカルに画像生成AIを動かせる「Draw Things」を導入して、M4搭載モデルとM5搭載モデルで画像を生成する速度を比べてみました。 Draw Thingsの導入方法は以下の記事を読むとわかります。
iPhoneやMacで重量級画像生成AIをローカル実行できる「Draw Things」を使ってみたよレビュー、Qwen Imageのような大型モデルも実行可能 - GIGAZINE
以下の画像で、上がM4搭載iPad Proで、下がM5搭載iPad Pro。どちらもモデルはQwen Image 1.0で、シード値は「20251025」に設定。プロンプトはどちらも「An astronauts riding a horse」と入力しました。他の設定はすべてデフォルトのままにしてそろえています。また、CoreMLは使用していません。
実際に画像を生成してみた結果、かかった時間は、M4搭載iPad Proが約25分50秒だったのに対して、M5搭載iPad Proは約15分20秒。M5搭載iPad Proは前世代よりも約40%も早く画像を出力できることがわかりました。
また、Premiereで4K・60fps・HDR・再生時間1分26秒の動画を、品質「高」に設定して書き出してみたところ、結果は、M4搭載iPad Proが45秒1、M5搭載iPad Proが37秒8で、M5搭載iPad Proの方が動画を早く書き出せることがわかりました。。
M5搭載iPad Proは前世代と見た目はほとんど同じ。見た目は変わらないので取り回しについては全く変わりがありません。しかし、M5チップを搭載することで明らかに前世代よりもパフォーマンスは向上しており、特にグラフィックやAIについては前世代を大きくしのぐベンチマーク結果を出しました。iPad Proでイラストを描いたり動画を編集したりローカルでAIを動作させたりする場合は、M5搭載iPad Proの方が効率よく作業できます。 次は、M5搭載iPad Proの発熱やバッテリーをチェックする予定なので、お楽しみに。
M5搭載iPad Proはスペースブラックとシルバーの2色が用意されており、ディスプレイサイズは11インチと13インチの2種類、Wi-FiモデルとWi-Fi+Cellularモデルの2種類があります。ストレージはそれぞれ256GB・512GB・1TB・2TBで、1TBと2TBはNano-textureガラスコーティングを別途注文可能。なお、M5の構成もストレージによって微妙に変わり、256GBモデル・512GBモデルは高性能コア3基+高効率コア6基の9コアCPUですが、1TBモデル・2TBモデルは高性能コア4基+高効率コア6基の10コアCPUとなっています。 価格は以下の通り。
また、Amazon.co.jpでも注文が可能です。
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