米パランティア空売り勢に16億ドル超の利益、ハイテク株安で6日続落
- 12日の最高値から17%余り下落、6日続落は24年4月以降で最長
- ただ空売り勢が抱える含み損45億ドルの穴埋めはまだ-S3のデータ
ソフトウエア開発会社の米パランティア・テクノロジーズの株価が6日続落し、時価総額730億ドル(約10兆7600億円)が失われた。年初来で大幅高を演じてきた同社株だが、ここにきて空売り勢に利益がもたらされている。
同社株は12日に付けた最高値から17%余り下落している。6日続落は2024年4月以降で最も長く、週間の下落率は関税騒動があった4月初旬以来の大きさになる勢いだ。
金融分析会社S3パートナーズのデータによると、今回の下落局面で空売り投資家は16億ドル超の利益を得たことになる。一方、空売り勢が今年に入って抱えている45億ドルの含み損を穴埋めするまでには至っていないことも示されている。
過去6営業日のパフォーマンスはS&P500種株価指数の構成銘柄で最悪だったが、年初来で見れば106%上昇と、同構成銘柄の中でなお上昇率トップとなっている。
同社株のバリュエーションには割高感が漂っているものの、株価上昇の勢いが衰えないことから、空売り勢はこの1年間でショートポジションを解消してきた。S3パートナーズのマネジングディレクター、マシュー・アンターマン氏によると、同社の浮動株に対する空売りの割合は1年前の5%近くから約2.5%に低下している。
今回のパランティア株の下落は、利益確定売りや割高感の乏しい銘柄への資金移動を背景にした大型ハイテク株の調整によるものだ。
Fnyキャピタル・マネジメントのポートフォリオマネジャー兼マクロトレーダー、ビクラム・ライ氏は「パランティア株の売りは、もっと早くに起きてもおかしくなかった。空売り勢によるものではない。グーグル、メタ、マイクロソフトなどの株が下落すれば、過大評価された高ベータ株は当然さらに下落する」と指摘している。
ライ氏はさらに「パランティア株が少しでも反発すれば、空売り勢は戻ってくる。下降トレンドの兆しがある」と述べつつ、ショートポジションを取ることには慎重な姿勢を示している。
原題:Palantir’s Miserable Week Mints Billions for Struggling Shorts(抜粋)