午前の日経平均は続落、米ハイテク株安で 下値は堅い

 8月21日、前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比247円99銭安の4万2640円56銭と続落した。写真は4月、都内で撮影(2025年 ロイター/Androniki Christodoulou)

[東京 21日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比247円99銭安の4万2640円56銭と続落した。前日の米ハイテク株安を受けて、東京株式市場でも売りが波及した。一方、下値では押し目買いが入り、下げ渋る場面もみられた。

前日の米ハイテク株安の背景には、人工知能(AI)相場の妥当性への疑問のほか、トランプ政権がインテル(INTC.O), opens new tabなど半導体企業の株式取得を検討していると報じられ、政府による民間部門への介入や株式希薄化への警戒などがある。

市場では「一部で売り疲れがみられる一方、AI含め、妥当な株価水準が見えづらくなってきた」(SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長)との声が聞かれる。エヌビディアは来週決算を控えており、ハイテク関連株は当面神経質な値動きになりやすいという。

日経平均は105円安で寄り付き、プラス圏に浮上する場面もみられたが、しばらくもみ合った後、289円安の4万2599円07銭まで下落した。前日に循環物色で買われた内需株の一角も軟調に推移した。

指数寄与度の高い銘柄では、ソフトバンクグループ(9984.T), opens new tab、東京エレクトロン(8035.T), opens new tabが2%超安となり、2銘柄で日経平均を114円程度押し下げたほか、ファーストリテイリング(9983.T), opens new tabも小幅安、第一三共(4568.T), opens new tabは5%超安となった。半面、前日大幅安となったハイテク株の一角には買い戻しも見られ、アドバンテスト(6857.T), opens new tabは1.90%高となった。
個別材料株への買いは旺盛だった。米ファンドによる大量保有が明らかになった宝ホールディングス(2531.T), opens new tabはストップ高水準まで買われたほか、子会社のタカラバイオ(4974.T), opens new tabも7%超高だった。人工知能(AI)向け材料の生産強化を発表した三井金属鉱業(5706.T), opens new tabは10%超高だった。

TOPIXは0.53%安の3082.55ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は2兆0325億0200万円だった。東証33業種では、値下がりは医薬品、建設、輸送用機器、陸運など24業種、値上がりは非鉄金属、鉄鋼など9業種だった。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが512銘柄(31%)、値下がりは1017銘柄(62%)、変わらずは91銘柄(5%)だった。

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