米上院、トランプ関税阻止決議案を否決 共和党の造反広がらず
4月30日、米上院はトランプ大統領が打ち出した関税を阻止するための超党派の決議案を否決した。オークランド港で2月撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)
[ワシントン 30日 ロイター] - 米上院は30日、トランプ大統領が打ち出した関税を阻止するための超党派の決議案を否決した。決議案は、トランプ大統領が米国の貿易相手国に一律で課した10%の関税と、一部の国・地域に対する相互関税の根拠として出した国家非常事態宣言を無効にすることを目指していた。
決議案は49対49で否決された。民主党に賛同して共和党から支持に加わったのは3人にとどまった。上院が数週間前に、カナダに対する追加関税を撤廃する決議案を可決した際には、共和党議員4人が賛成に回っていた。上院では現在、共和党が53対47で過半数を占める。
しかしこの日の採決では決議案を支持する2人が欠席したため、後日の採決に2人が加われば決議案は可決される。そのためスーン共和党院内総務は上院議長を兼ねるバンス副大統領を呼び入れ、決議案の再検討を見送り廃案とするため採決を実施。賛否同数のところを、バンス氏が決定票を投じて50対49で可決、決議案は事実上廃案となった。
民主党上院トップのシューマー院内総務は「上院共和党は今夜、トランプ関税を維持することに投票した。彼らはトランプ関税と米中流家庭のコスト上昇の責任を負う」と述べた。
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