プーチン氏、習氏の戦勝記念式典出席に謝意 「ネオナチに共に対抗」
[モスクワ 8日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は8日、訪問先のモスクワでロシアのプーチン大統領と会談した。西側諸国との対立が高まる中、両首脳は協力関係を新たな段階に引き上げ、米国の影響力に「断固として」対抗していくと表明。新たな世界秩序の擁護者としての立場を鮮明にした。
習主席は対ドイツ戦勝80周年記念式典に出席するためにモスクワを訪問。テレビ放映されたプーチン氏との会談で、中国とロシアは「百の試練を経た、鋼鉄のような真の友人だ」とし、共に国際的な公平性と正義を守ると表明。両国は協力関係の基盤を強固にし、「外部からの干渉を排除する」と述べた。
プーチン氏は、中ロ関係の全ての重要な要素を習氏と自身が個人的に監督するとし、2030年までに貿易と投資の大幅な拡大を目指すと表明した。
両首脳は共同声明で、軍事面を含む全ての分野での関係を深め、「ロシアと中国に対する米国の『二重の封じ込め』政策に断固として対抗するために連携を強化する」と表明。ロシア・ウクライナ戦争については、「根本的原因」を取り除くことでのみ解決できるとの見解を示した。
プーチン氏と習氏はこれまでに数十回の会談を行い、22年2月には「制限なき」戦略的パートナーシップに署名。中国はロシア最大の貿易相手国で、ロシアが西側諸国の制裁措置に対応するにあたり経済的な支援になっている。
会談に先立ち、プーチン大統領は習主席をクレムリン(大統領府)で出迎え、戦勝記念式典参加に感謝の意を示した上で、両国は「ネオナチズム」に共に立ち向かっていると述べた。 習氏の式典出席はウクライナでの戦争を当初から現代のナチスとの闘いとして位置付けているプーチン氏にとって大きな後押しとなる。
プーチン氏は習氏に「莫大な犠牲を払って達成されたファシズムに対する勝利は永続的な意義を持つ」と語りかけ、「中国の友人と共に、われわれは歴史の真実をしっかりと見張り、戦時の出来事の記憶を守り、ネオナチズムと軍国主義の現代的な発現に対抗する」と話した。
習氏は米国を念頭に、両国が協力して「単独主義といじめ」に対抗していくと表明。「第2次世界大戦の正しい歴史観を共同で推進し、国連の権威と地位を守り、中国、ロシア、そして大多数の発展途上国の権利と利益を断固として守り、平等で秩序ある、多極的で包摂的な経済のグローバル化を推進するために協力する」と語った。
両首脳はカメラの前で握手を交わした後でそれぞれ発言。互いに「親愛なる友人」と呼んだ。
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