エースFW三井寺眞が前夜発熱で欠場、無念の高円宮杯初戦敗退も…選手労うフォーリクラッセ仙台指揮官「誰一人不安な顔をせず堂々と戦ってくれた」
初戦敗退となった
[12.13 高円宮杯1回戦 フォーリクラッセ仙台 2-3 大宮U15 維新百年サッカー場]
エースは無念の欠場だった。FCフォーリクラッセ仙台はFW三井寺眞(3年)が発熱でメンバー外となった1回戦でRB大宮アルディージャU15に2-3で敗れ、高円宮杯初戦敗退となった。
三井寺は5月のU-15日本代表活動でハットトリックを記録し、その後は飛び級でU-16日本代表も経験。今季のU-15東北みちのくリーグでは2位の選手より12ゴール多い26得点を記録する圧倒的な活躍で得点王に輝き、世代屈指のアタッカーとしてチームを牽引している。 ところが飛奈優太監督によると三井寺は試合前日の夜に発熱してしまったといい、中学年代最後の大会は初戦欠場を強いられた。 そうして臨んだ大宮U15戦では三井寺に代わって腕章を巻いたFW阿部幹大(3年)が開始早々にPKを獲得し、このチャンスを自ら決めて先制に成功した。阿部も三井寺とともにフォーリクラッセ仙台の得点源を務めている存在であり、チームを引っ張っていく決意を結果で示したが、阿部自身も数週間前の脱臼によりフルコンディションではなかったという。そうした中での労を惜しまない働きに指揮官は賛辞を惜しまなかった。 「腕を完全には振れないくらいの状態でやっていたけれど、それを感じさせないようにチームを引っ張って点を取った。前からハードワークもしてくれたので本当に頼りになる選手になってくれたし頼り甲斐があった」 だが、チームはある程度ボールを握られる展開は想定していたという中で前半のうちにクロスから失点し、後半の立ち上がりには逆転被弾。もっとも逆転を許した直後にすぐさまMF中平悠慎(3年)がゴールネットを揺らす粘り強さを見せたものの、「最後の最後で力尽きてしまった」(飛奈監督)。後半アディショナルタイムまで残り1分のところで再びリードを許し、2-3でタイムアップを迎えた。 土壇場での敗戦ともあって、選手たちは一様に悲嘆に暮れていた。ただ今年は夏の全国大会・日本クラブユースサッカー選手権で初のベスト8に入り、東北みちのくリーグでは79試合無敗だった青森山田中から勝利を収めるなど歴史を作ってきた世代でもある。指揮官は悔しさを滲ませつつも、三井寺が不在の中でも懸命に戦った3年生を「アクシデントがあったけれども選手たちは誰一人不安な顔をせず堂々と戦ってくれた。最後の最後ですごく成長が見られてよかった」と称えていた。 そして指揮官はこの日先発入りしたGK菅原快とDF及川大登の2年生コンビを中心に後輩への期待も示す。 「(今年は)本当に3年生がすごく良いものを見せてくれて、2年生もそこに一緒に遜色なく戦っていた。今日関わってくれた選手たちが3年生の想いも背負って、自分たちの学年を引っ張っていける選手になってほしいなと思います」 1、2年生もより中心的な立ち位置になる来季に向けてモチベーションを高めているはず。初戦敗退に終わった悔しさも糧に東北で研鑽を積み、再び全国大会に戻る。 (取材・文 加藤直岐)●高円宮杯第37回全日本U-15選手権特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中