ゼレンスキー大統領、領土譲渡を拒否-欧州首脳はウクライナ支持
- 「国境は武力によって変更されるべきではない」-欧州首脳が声明
- 欧州とウクライナ、米国の国家安全保障当局者、英国で協議した
ウクライナのゼレンスキー大統領は、戦争を終結させるために領土を譲渡することはないと表明した。一方、欧州各国の首脳は、ウクライナの主権を引き続き支持する姿勢を示した。
欧州首脳は9日の共同声明で、「国境は武力によって変更されるべきではないという原則を守る決意に変わりはない」とし、「現在の接触線を交渉の出発点とすべきだ」と表明した。
声明には、スターマー英首相や欧州委員会のフォンデアライエン委員長のほか、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、フィンランドの首脳が名を連ねた。
トランプ米大統領は8日、ロシアのプーチン大統領と15日にアラスカで会談すると発表した。会談はロシアによるウクライナ侵攻の終結を目指すものだが、ゼレンスキー氏は招かれていないとされる。
ゼレンスキー氏の発言は、首脳会談のニュースや、米ロ間の協議内容に関する報道を受けての初めての反応だった。関係者によれば、米ロ協議は、軍事侵攻中にロシアが占拠した地域の支配を既成事実化する取引を軸に進められている。
その中には、2014年にロシアが不法に併合したクリミアの割譲のほか、東部ドンバス地域全域が含まれる。これが実現するには、ゼレンスキー氏がルハンスク州とドネツク州の一部、すなわちウクライナが現在も掌握している地域から部隊を撤退させる必要がある。
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欧州とウクライナ、米国の国家安全保障当局者は9日に英国で会談し、戦闘終結の目標に向けて重要な進展があったと、米当局者が匿名で語った。協議の前には、ゼレンスキー氏とスターマー英首相が電話で会談し、ゼレンスキー氏と欧州各国首脳の活発な外交活動が行われた。
英国での会談はラミー英外相とバンス米副大統領が共同で主宰した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、一部の米政府関係者はビデオ通話で参加し、欧州勢はロシアとの協議に向けて、まずは停戦を求める対案を提示した。
原題:Zelenskiy Rejects Ceding Land as European Leaders Back Ukraine(抜粋)