サウジ、アジア向け代表油種を値上げ-夏の需要見込み自信の価格設定
サウジアラビアは代表油種のアジア向け8月価格を引き上げた。堅調な石油・燃料需要が背景にある。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」は、5日に4会合連続となる大型供給引き上げを決定したばかり。サウジの値上げは原油市場に対する同国の自信を示す格好となった。
ブルームバーグが確認した価格表によれば、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは「アラビアンライト」のアジア向け価格を1バレル当たり1ドル引き上げ、アジア顧客向け指標価格より2.20ドル高く設定した。
アジアの製油関係者3人は今回の値上げ幅に驚きを示した。トレーダーおよび製油業者の調査では、アラムコはアラビアンライト価格をバレル当たり65セント引き上げると予想されていた。
サウジが主導するOPECプラスは5日、夏の強い消費動向などを考慮し、8月の供給を日量54万8000バレル引き上げることで合意した。トレーダーやアナリストの予想を上回る供給拡大で、年末にかけて原油需給は供給超過に陥る可能性がある。JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなどウォール街の金融大手は、原油価格が10-12月(第4四半期)にバレル当たり60ドル近くに下がると予想している。
OPECプラスの主要8カ国は、昨年9月まで自主減産を繰り返してきた。今回の供給拡大を含む減産巻き戻しは、当初の説明より1年前倒しされている。OPECプラスは今年5月と6月、7月にそれぞれ日量41万1000バレルの拡大を発表しており、当初予定の3倍のペースで増やしてきた。
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原題:Saudis Raise Main Oil Prices for Asia a Day After OPEC+ Hike (1)(抜粋)