角田裕毅に”最大級”の賛辞―来季シートは誰の手に?パーメイン代表が語る「3ドライバーの評価」
2026年シートを巡る「レッドブル及びレーシング・ブルズのシリーシーズン」が本格化する中、レーシング・ブルズのチーム代表アラン・パーメインがアゼルバイジャンGPの初日、候補に名を連ねる角田裕毅、アイザック・ハジャー、リアム・ローソンの3名について率直な評価を語った。
角田には「トップドライバーと遜色ない」と最大級の賛辞を送り、来季レッドブルの最有力候補とされるハジャーについては強みと課題を、そして残留が懸かるローソンには必要とされる条件を明示した。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
記者会見に出席するアラン・パーメイン(レーシング・ブルズ代表)、2025年9月19日(金) F1アゼルバイジャンGP初日(バクー市街地コース)
パーメインは2024年にチームへ加入した際に初めて角田と仕事を共にしたが、その時点で強い印象を受けたという。
「レースペース、タイヤの扱い方、予選での速さ、そして予選で如何にタイヤを素早く機能させ最大限を引き出すか ― チームに加わってすぐに、彼には驚かされたよ」と絶賛した。
さらに「フィードバックの質やドライビングスタイル、そしてコース外での姿勢もトップドライバーと比べて一切遜色がない。彼は素晴らしいドライバーだ」と最大級の評価を与え、「実際に一緒に仕事をしてみて、本当に良い意味で裏切られたよ」と打ち明けた。
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10位フィニッシュを経てRBのスポーティング・ディレクターを務めるアラン・パーメインとローラン・メキーズ代表と共に写真撮影に臨む角田裕毅、2024年5月19日(日) F1エミリア・ロマーニャGP決勝レース(イモラ・サーキット)
F2からの昇格を果たしたルーキー、ハジャーについては「何よりもまず、信じられないほどの速さが強みだ」と高く評価した。だが、速さ以上に印象的なのは、その学習姿勢だという。
「彼は聞く耳を持ち、アドバイスや支援を素直に受け入れる。何もかも自分のやり方で突っ走るタイプではない」とパーメインは語る。時に自己評価が厳しすぎる場面もあるが、それすらも改善しようと取り組んでいるとし、「最大の強みは“学び続けようとする姿勢”だ」と強調した。
一方で、改善すべき課題もある。「もし一つ挙げるとすれば予選での一貫性だろう」とパーメインは指摘する。オランダGPでの4番グリッド獲得や、ハンガリーGPでの上位進出など光る瞬間はあるものの、プレッシャーのかかる局面での安定感には依然として課題が見られるという。
なお、レッドブル昇格に向けた準備が整っているかどうかについては明言を避けた。モータースポーツ・アドバイザーのヘルムート・マルコは10月末のメキシコGPを目安に決定を下す意向を示しているが、パーメインは「シーズンの後半、かなり遅い時期になるだろう」と見通しを語った。
ローソン:完璧な実行が鍵
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ガレージ内で会話するアラン・パーメイン(レーシング・ブルズ代表)とリアム・ローソン、2025年7月25日(金) F1ベルギーGPスプリント予選(スパ・フランコルシャン・サーキット)
ローソンについては、来季残留に向けて「完璧な週末をまとめ上げること」が必要不可欠だと指摘した。もはやアップデートの投入が期待できない中、手持ちのパッケージで最高のパフォーマンスを引き出すことが求められる。
「イギリスとファエンツァからのサポートを通じて、彼のためにできるだけ完璧なマシンを用意する。だが最後にすべきことは彼自身が週末を完璧にやり抜くことだ」とパーメインは力を込めた。
激化するシート争奪戦
ハジャーの予選での安定性向上、ローソンの“完璧な実行”、そして角田のさらなる飛躍――残りレースでの戦いぶりが、各々のドライバーの来季のキャリアを大きく左右する。シリーシーズンの行方を決める重要な局面は、いよいよ佳境に入る。