【〇虎将トーク】阪神・藤川監督、石井の球団記録に「指導法が間違っていなかった」「良い指導者なのかもしれないですね」

阪神・石井大智を笑顔で称える藤川球児監督=甲子園球場(撮影・水島啓輔)

(セ・リーグ、阪神6ー2中日、23回戦、阪神12勝11敗、26日、甲子園)阪神が快勝。中日戦12勝11敗で1962、2023年に次いで球団3度目のセ5チームに勝ち越す〝完全優勝〟に王手をかけた。2度の打球直撃もあり、5回2失点で降板した村上頌樹投手(27)は最高勝率の条件となる13勝(4敗)に到達。勝率・765でタイトル獲得に大きく前進した。また登録された石井大智投手(28)がリーグ最速Vを決めた7日広島戦(甲子園)以来の登板で、NPB記録を更新する49試合連続無失点で、06年藤川球児の「47回⅓」を抜いて球団新記録の「48回ゼロ封」を樹立した。打線は一回、佐藤輝明内野手(26)の左前打で先制。2死満塁から坂本誠志郎捕手(31)の3点二塁打で4点を奪った。三回は坂本の中前打で5点目を追加した。五回無死二塁では佐藤輝が右前適時打で99打点とした。二回2死二塁、森下翔太外野手(25)がカウント1ー2から見送った内角直球へのストライク判定に白井一行球審(47)に詰め寄るシーンもあった。チームは9月11勝8敗1分で月間勝ち越し決定。11勝11敗の6月を除く各月で貯金を重ねた。03、05年の球団最多87勝まで、残り3戦3勝。藤川球児監督(45)の主な一問一答は以下の通り(成績=84勝52敗4分、観衆=4万2584人)。

★テレビインタビュー編

ーー13勝目で最高勝率のタイトルの条件をクリアした村上の投球は

「だいぶ、当たっていましたね、ボールがね。才木も含めて(体の)右側に3回当たっていますから、祈っておきます」

ーー開幕投手に指名し、13勝

「きれいに最後、星を取れたので、良いスタートがあればこそ、良いゴールを迎えたというところで、まだもうひと登板、チャンスはあるので。奪三振の方がもう少しありますから。彼も意欲的だと思いますけど、素晴らしかったですね」

ーーチーム一丸で村上に勝利を、という意気込みが伝わってきた

「今日から少し新たにゲームプランと言いますか、あと4試合しかなかったですから、この甲子園球場と、この雰囲気を大事にしながらやろう、というところでは進めたんですけど、初回から素晴らしい結果になりましたね。試練があってもいいですけど」

ーー石井が48イニング連続無失点の球団記録を樹立した

「本当に素晴らしいと思います。誇りに思うのと、自分が現役の時に残した記録で、一瞬でも自分がグラウンドに戻ったような気持ちになりながら、今日は見ることができて。これだけ嬉しいことはないですね。自分が残した記録を選手たちが超えていくというのは、自分も指導者として自負できるというか。指導法が間違っていなかったという部分でもあると思いますから。(映画の)『ベストキッド』を見ているようで。選手たちが成長しながらのところで、自分はそこが専門的な部分でしたから。自分はもっと引き出しを出せたんじゃないかな、と。もうこれ以上ないけどね。現役選手が超えていってくれるのは指導者冥利に尽きるというか、もしかしたら、良い指導者なのかもしれないですね」

ーー八回岩崎、九回石井は今後を見据えてか

「そうですね。向かっているところがありますから。みんながスクラムを組んで、迷うことなく、今日から進み出していますから。石井も調整をばっちりとしてきて、全てがプラン通りと言いますか。先発ピッチャー2人が3発も当たっているのがちょっとですけど、気持ちが入っているからこそ大きな故障につながっていない。これは本当にタイトルを取れそうな2人の素晴らしいところですね」

ーー残りは甲子園で3試合

「個人の数字もありますけど、ゲームを今日のように有利に進めることができればというところと、勢いを出さなければいけないというところですから。停滞することもあると思いますけど、その時は、また叱咤激励をいただいて、糧にして盛り上げていきます」

★囲み編

ーー石井はリーグ優勝後に抹消期間があり、いい調整をしてきてくれた

「石井、岩崎は外れて、その間にほかの投手の部門のところのビルドアップもありますしね。やっているところはまだあるし、まだまだ実戦じゃないとできない部分もありますから、いい面と課題が出る部分と、急ぎ過ぎてもダメだし、その辺りを、先ほども言いましたけど、甲子園は残り4試合だったので、あと3試合、デー(ゲームが)2試合ともう1試合がナイターか。ファンの方がこれだけ最後まで入ってくださっているので、有意義に、というところと、勢いを出したいですよね」

ーー村上は他の投手をみながら、もう一度

「当たったところが大丈夫であれば、ですけど、気分良くクライマックスシリーズに入れるんじゃないかな、というところで。最初の開幕のスタートがうまくいっている分、最後もしっかりと、ボールが2度当たっても、最後までゴールを迎えることができるということは、彼の昨年の悔しさというモノもあったと思いますから。素晴らしいカムバックを見せているシーズンじゃないですかね」

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