政治的なジョーク語ることさえ危険に ソ連時代に先祖返りしたロシア
駒木明義
ロシアから見える世界
2026年3月11日、ホルムズ海峡付近を航行する貨物船=ロイター
みなさん、こんにちは。世の中の関心はイラン情勢に集中し、ウクライナのことは忘れられてしまったかのようです。
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ホルムズ海峡がほぼ閉鎖されてしまったことを受けて、これまで対ロ制裁に加わっていた国からも、ロシアからエネルギーを調達しようという動きが相次いでいます。
停戦条件を話し合ってきた米国、ウクライナ、ロシアによる3カ国協議は中断されて、再開の見通しが立っていません。
そこで今回は、少し目先を変えてみたいと思います。
口伝えの風刺、息苦しい冷戦時の潤滑油
「アネクドート」という言葉をご存じの方も多いことでしょう。主に冷戦時代のソ連や東欧で、口伝えに広がったジョークのことです。政治や社会、暮らしの実態などを風刺して笑い飛ばす話が多く、息苦しい生活の潤滑油のような役割を担ったといいます。
ソ連時代に語られた有名な例を一つあげましょう。
先生「資本主義の発展段階は?」
生徒「破滅する寸前です」
先生「よろしい。では社会主義は?」
生徒「社会主義は、資本主義の次の段階です」
ロシアでも、アネクドートの伝統は健在です。
2014年末に、モスクワで聞いた話を紹介しましょう。
記者「来年の1バレルあたりの原油価格と、米ドルとロシア・ルーブルのレートの見通しを教えてください」
エコノミスト「120と30…
この記事を書いた人
- 駒木明義
- 国際報道部記者|ロシア・欧州担当
- 専門・関心分野
- ロシア、国際関係、外交