阪神・藤川監督が日本シリーズで「コーチ陣と衝突」か…引き金は「第2戦のデュプランティエ独断起用」(FRIDAYデジタル)|dメニューニュース
“奇襲作戦”に失敗
2年ぶりの日本一を目指す阪神が10月30日、本拠地甲子園で行われたソフトバンクとの日本シリーズ第5戦に敗れ、シーズンを終えた。
「ホークスの底力があったね。強かった……」
試合後、こう切り出したのは藤川球児監督(45)だ。2014年以来、11年ぶりの〝虎鷹決戦〟の初戦を白星で飾ったものの、そこから悪夢の4連敗。
5試合中4試合は1点差の勝負だったことから、僅差による惜敗という論調も根強いが、球団OBは「差は歴然だった」と言い切る。
「主軸を打った大山悠輔内野手(30)がシリーズ期間中、大不振に陥ったことが大きい。ホークスバッテリーはクライマックスシリーズで1割に満たない低打率だった大山に焦点を絞って対策を徹底。振り遅れが目立つと分析して胸元に速球を投げ込む配球が見事にハマりました。
対照的に、ソフトバンクはレギュラーシーズンで本調子ではなかった山川穂高内野手(33)がシリーズタイ記録となる3試合連続アーチで“お目覚め”。野手陣の差が歴然と表れたシリーズでしたね。とくに、第2戦が大きな分水嶺になったと思います。あそこで大敗したことで、ホークスを勢いに乗せてしまった」
かつて常勝軍団だった西武を率いた名将・森祇晶(88)は「日本シリーズは第2戦が最重要」という説を唱え、巨人の前監督・原辰徳(67)もこの意見に賛同したという。
そんなシリーズ第2戦で、阪神ベンチ内に「不穏な空気が流れ始めていた」と複数の選手やスタッフが証言していることがわかった。一体何があったのか。
「先発したジョン・デュプランティエ(31)の起用を巡って、藤川監督とコーチ陣の意見が衝突したんですよ」(球団スタッフ)
デュプランティエは開幕から先発ローテーションの一角を担い、15試合に登板し6勝をマーク。防御率1.39と安定したピッチングを見せ、奪三振率11.22という数字には目を見張るものがあった。
だが、1軍登板は8月9日のヤクルト戦(京セラドーム)がラストで、以降は2軍調整が続いていた。
「実はファームでも満足に投げられておらず、CSでの登板もなかった。ところが、藤川監督は日本シリーズでのぶっつけ本番が奇襲になると考え、2戦目での起用を決意。無論、投手コーチをはじめ周りの首脳陣が『止めたほうがいいのでは』と強く進言しましたが、独断でマウンドに送り込んだのです。
結果、デュプランティエが2回途中7失点KOと大乱調でした。これは結果論ですし、たしかに藤川監督の独断で上手くいった例もたくさんありますが、日本シリーズという大舞台のキーポイントになる試合ですから、もう少し慎重になってもよかったのでは……。実際、『シーズン中からそうだったが、もっと我々の意見を聞いてくれないと、信頼関係が崩壊してしまう』とコボすコーチもいましたからね」(球団関係者)
この意見衝突に関する情報は、日本シリーズ敗退を機に、瞬く間に球団中へ広がっていったという。
「そんなタイミングで金村暁投手コーチ(49)の退団、そして野村克則バッテリーコーチ(52)の配置転換が発表されたのです。金村さんに関しては契約満了での退団とのことですが、『2人とも藤川監督との考えの違いによって現職を離れることになったのでは?』と邪推する不届き者も現れる始末です」(同前)
試合後、藤川監督は「自分のことも含めてやるべきことが、また見つかった」と敗戦の弁を語った。采配ミスを糾弾されるのは、常勝軍団の監督の宿命でもある。来季はコーチ陣の意見を柔軟に受け入れるのか、はたまた大一番での独断を貫くのか。