米移民当局ICE、テキサスで出勤途中の男性を射殺 取締作戦の対象者ではなかったと国土安全保障省

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画像説明, 7日に射殺されたロレンソ・サルガド=アラウホさんの写真を抱く家族(8日、米テキサス州ヒューストン)

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米テキサス州ヒューストンで7日、移民当局の職員が出勤途中の男性を路上で射殺した。これについて国土安全保障省(DHS)は10日、職員が射殺した男性は、意図した取締対象者ではなかったと述べた。

メキシコ国籍の建築作業員ロレンソ・サルガド=アラウホさん(52)は、現地時間7日午前7時ごろ、仕事の現場へと運転していたところ、停車させられた後に撃たれ、その後まもなく搬送先の病院で死亡した。

DHSは10日、取締作戦の対象者によく似た人物が乗った白いバンを発見したため、停車させたと発表。職員は正当防衛のために発砲したのだとしている。

バンに乗っていた乗客と被害者の家族は、移民当局のこうした説明に異議を唱えている。DHSは、内部監査機関の監察総監室がこの銃撃事案について調査を開始したと8日に発表した

発砲に関与した移民税関捜査局(ICE)の職員はボディーカメラを装着しておらず、当局は発砲に関する画像や動画を一切公開していない。

DHSの報道官は、BBCがアメリカで提携するCBSニュースへの声明で、現場職員の半数が既にボディーカメラを装備しており、残りの半数にも今後60日以内に支給される予定だと述べた。

家族によると、サルガド=アラウホさんはメキシコから非正規にアメリカに入国した後、ヒューストン地域で30年間、大工として働いていた。

サルガド=アラウホさんに犯罪歴はなく、就労許可証の取得も間近だったと家族は説明している。銃撃された当時は、同僚3人をバンに乗せて作業現場へ向かっていたという。

ICEを統括するDHSは8日の声明で、ICE職員が「不法滞在者を逮捕するため、標的を定めた取締作戦の一環として、車両を停止させようとした」と説明した。

DHSは、サルガド=アラウホさんが「逮捕を逃れようと」自分の車でICEの車両に体当たりしたため、ICE職員は「正当防衛のために発砲した」のだと説明している。

サルガド=アラウホさんは病院に救急搬送されたが、そこで負傷が原因で死亡したと、DHSは述べている。

DHSは9日には、ICEの監視対象の場所で、今回の銃撃の数週間前に2台の白いバンを職員が目撃していたのだと説明。ICEが7日に同じ場所へ戻ると、「標的に似た人物が乗った白いバン」を発見したため、検問を開始したという。

CBSの報道によると、サルガド=アラウホさんと一緒にバンの車内にいた男性たちの弁護士は、男性たちの証言はDHSの発表した経緯と矛盾すると話している。

「私の依頼人3人全員、自分たちが乗っていた車の前に捜査員が立っていたことは一度もなかった、捜査員が危険な状態に置かれていたことは一度もなかったと、主張している」と、弁護士は話した。

サルガド=アラウホさんの息子たちも、DHSの発表内容に異議を唱えている。

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画像説明, ICEに車を停止させられた後に撃たれ、病院で死亡したサルガド=アラウホさん。写真は8日、ソーシャルメディアに掲載されたもの

サルガド=アラウホさんの殺害を受けて、ヒューストン市内では抗議行動が起きている。テキサス州の連邦下院議員4人(民主党)が、今回の事案について第三者調査を要求した。

シルヴィア・ガルシア、アル・グリーン、リジー・フレッチャー、クリスチャン・メネフィー各議員はDHSへの書簡で、「ICE捜査員が不必要かつ致命的な威力を行使したのは、これが初めてではない」と書いた。

サルガド=アラウホさん殺害について議員たちは、「DHSとICEは、説明責任を果たすどころか、前にも聞いたことのある同じ話を繰り返している。相手が逮捕を逃れようと、車両を武器にしたのだと。そのため、職員が相手を射殺したのは正当防衛の結果だと主張している」と書いている。

連邦当局による調べは始まっているが、ヒューストン警察のノエ・ディアス本部長によると、州による捜査には制限があるという。

ICEの報道官はBBCに、職員による銃撃で撃たれた相手が死亡するに至った今回の事案をDHSの監察総監室が調査しており、連邦捜査局(FBI)のヒューストン支局が連邦捜査員に対する暴行の可能性について捜査を主導していると述べた。

ヒューストン市長の要請を受け、ヒューストン警察のディアス本部長も10日、DHSに書簡を送り、7日の銃撃について捜査を「迅速かつ透明性のある徹底的な方法」で支援するため、リソースを提供する意向を伝えた。

「ヒューストン警察は、この問題の重大性を認識しており、徹底的な捜査を支持する」と、ディアス本部長は書いた。

ディアス本部長はまた、連邦法の下、地方の捜査機関には、公務遂行中の連邦機関や連邦捜査員を捜査する独立した権限はないと述べた。

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画像説明, サルガド=アラウホさんが殺害された現場の近くには、多くの花束が手向けられている(10日、ヒューストン)

サルガド=アラウホさんの射殺を受けて、メキシコ政府は、アメリカで拘束されていたメキシコ国民がこれまでに17人死亡していることについて、アメリカ国内で刑事告発を行うと発表した。

メキシコのロベルト・ベラスコ外相は、14人のメキシコ人がICEに拘束されている間に死亡し、さらに3人がICEの「逮捕作戦」中に死亡したと述べた。

ベラスコ外相は、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領から告発を指示されたと述べ、ICEによる拘束または作戦中にメキシコ人が死亡したことをアメリカの捜査当局が「刑事事件として」扱うように仕向けることが狙いだと説明した。

AP通信によると、トランプ政権の移民取締作戦中に死亡した人は、サルガド=アラウホさんで少なくとも8人目になる。いずれの事案についても、移民当局職員は起訴されていない。

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