マイクロソフト、売上高・利益とも予想上回る-クラウド事業好調

マイクロソフトが4月30日に発表した1-3月(第3四半期)決算では、売上高と利益が市場予想を上回った。新たな関税や経済の不確実性のなかでもクラウドサービスの需要が引き続き安定していることが示唆され、株価は時間外取引で急伸した。

  発表資料によると、1-3月期の総売上高は13%増の701億ドル(約10兆円)、調整後の1株利益は3.46ドル。アナリスト予想平均は売上高が685億ドル、調整後1株利益が3.21ドルだった。

  世界最大のソフトウエア企業のマイクロソフトは、対話型人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」を開発したオープンAIとの緊密な提携により、AI製品の商用化におけるリーダーと見なされている。「オフィス」や「エクセル」といったアプリケーションでもAIアシスタントを導入している。

  クラウドコンピューティングサービス「Azure(アジュール)」の売上高は33%増加した。ウォール街の予想は29%増収だった。同社はアジュールの1-3月期成長率のうちAIの寄与は16ポイントと、前四半期の13ポイントから高まったと説明。オープンAIからの新たなクラウド契約が受注に寄与したとしている。

  エイミー・フッド最高財務責任者(CFO)はアナリスト向け電話会見で、今四半期のアジュールの成長率が為替変動を調整した上でアナリスト予想を上回る最大35%に上る見通しを示した。

  マイクロソフトの株価は時間外取引で一時約8%上昇した。通常取引終値は395.26ドル。

  アマゾン・ドット・コムアルファベットと同様に、マイクロソフトも生成AIの学習やツールに対する需要の急増に対応するため、データセンターの建設を急いできた。しかし同社はここ数カ月、一部の開発計画を縮小させており、投資家の間ではこれを財務面の慎重姿勢と見るべきか、クラウドやAIの長期的需要の減少と受け止めるべきかを巡り議論が起きている。

  データセンター関連支出の指標とされる設備投資額は、1-3月期に214億ドルを計上。2年余りで初めて前四半期を下回った。

  フッド氏は7月に始まる新会計年度の設備投資について、鈍化はするものの増加は続くと述べた。また、AI需要に対応するデータセンター容量が従来の予想よりも長期にわたり不足する見込みだとした。

  1-3月期の部門別売上高は、業務用アプリケーションを含む部門が10%増の299億ドルとなり、アナリスト予想平均の297億ドルをわずかに上回った。

  家庭用ゲーム機「Xbox」やノートパソコン「Surface(サーフェス)」といったハードウエア事業の売上高は6%増の134億ドル。アナリスト予想平均は127億ドルだった。

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原題:Microsoft’s Shares Surge on Strong Quarterly Cloud Sales GrowthMicrosoft Posts Strong Results Fueled by Cloud Sales Growth (1) (抜粋)

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