トランプ氏、イリノイ州への州兵派遣を命令-州知事の反対押し切る

Miranda Davis

  • 大統領は都市をむしばむ無法状態を黙認せず-ホワイトハウス報道官
  • イリノイ州ブロードビュー郊外の移民センター外で緊張高まる

トランプ米大統領は、移民を取り締まる連邦当局を支援するため、イリノイ州に300人の州兵を派遣することを承認した。同州当局の反対を押し切った形だ。

  ホワイトハウスのジャクソン報道官は4日、「トランプ大統領は、米国の都市をむしばむ無法状態を黙認しない」と述べた。

  今回の命令は、トランプ政権がシカゴへの介入方針を強めていることを示唆している。シカゴでは移民・税関捜査局(ICE)が活動を強化しており、イリノイ州ブロードビュー郊外にある移民センターの外では連邦職員と抗議デモ隊との間で緊張が高まっている。

  プリツカー州知事(民主党)は4日、大統領命令に先立ち、「今朝、トランプ政権の戦争省から最後通告を受けた。『自ら部隊を動員するか、さもなくばわれわれがやる』とだ。われわれの意思に反し、自国内で軍隊を派遣するよう知事に要求するのは、まったくもって理不尽で非米国的だ」とコメントした。

イリノイ州ブロードビュー郊外にある移民センターの外で警察とデモ隊が小競り合い(10月3日)

  ブロードビュー施設付近では4日、緊張がさらに高まった。国土安全保障省の報道官によると、連邦職員が自らを防御する目的で女性1人に向けて発砲し、その後、女性は自ら車を運転して病院に向かったという。シカゴ警察は現場に駆けつけたが、この出来事や捜査には関与していないと説明した。

  シカゴの連邦検察は、この事件に関連して3人を訴追した。検察の声明によると、3人は車両を使って連邦職員の業務を妨害したとされ、そのうち2人は連邦職員が運転する車に衝突し、もう1人は連邦の法執行車両に追突したとされる。

  プリツカー知事はイリノイ州に州兵を派遣する必要はないと繰り返し主張していた。

原題:Trump to Send Guard to Illinois Over Pritzker’s Objection (1)(抜粋)

— 取材協力 Catherine Lucey and María Paula Mijares Torres

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