ボンディ米司法長官が議会で証言、激しいやり取りも エプスティーン元被告の資料やミネアポリスでの銃撃事件めぐり
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アメリカのパム・ボンディ司法長官は11日、米連邦議会の公聴会で証言した。性犯罪で有罪とされた富豪ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)に関連する資料をめぐる司法省の対応を擁護し、その他の問題でも議員らの怒りのこもった質問に激しく言い返すなどした。
下院司法委員会でのやり取りは、時に怒号を伴う応酬に発展した。
ボンディ氏が民主党議員を「落ちぶれた負け犬」と呼ぶ場面もあった。また、別の激しいやり取りでは、怒った議員1人が席を立って退室した。
1.被害者ら注視のなか資料の編集を擁護
この公聴会は、司法省が1月末、エプスティーン元被告に関する捜査資料をさらに数百万点公開したことを受けて開かれた。
公聴会では、元被告の複数の被害者がボンディ氏の背後に座った。議員らは、頻繁に被害者らに言及した。
冒頭陳述でボンディ氏は、エプスティーン元被告を「怪物」と呼び、被害者らが受けた虐待について気の毒に思うと述べた。
しかし議員らはその後、司法省による資料公開の手法について、ボンディ氏に多数の批判を向けた。複数の議員が、法律で求められているにもかかわらず、被害者らの名前が編集されていないケースがあったと非難した。
民主党のプラミラ・ジャヤパル下院議員は、中には被害者の「はだかの画像」が公開された事例や、「数十年」にわたって保護されてきたサバイバーの身元がさらされた事例もあったと述べた。
ジャヤパル氏が、傍聴していた被害者らに向かい、司法省と面会できていない人は立って手を挙げるよう求めると、被害者全員が立ち上がった。
ジャヤパル氏は続けて、編集作業をめぐる司法省の対応について、被害者に謝罪するようボンディ氏に求めた。
これに対しボンディ氏は、ジャヤパル氏の質問を「茶番だ」と批判し、「この女性の低俗なやり方には付き合わない」と述べた。
公聴会の別の場面でボンディ氏は、資料公開を義務付ける法律で定められた期限の中で、当局は被害者保護に最善を尽くしていると述べた。さらに、誤って公開された名前については、指摘を受け次第「即座に編集している」と説明した。
2.共和党議員も追及に加わる
公聴会では、エプスティーン元被告の編集済みの資料における、名前の扱いをめぐっても緊張が高まった。
超党派グループは、司法省が保護対象ではない人物の名前を不適切に削除したと非難している。
このグループは編集前の資料を閲覧することを認められており、その結果、司法省は少なくとも一つの文書で名前の編集を解除している。
こうした取り組みに関わってきた共和党のトーマス・マッシー議員は、編集作業の責任者が誰なのか、そしてこの「失敗」に対して誰が責任を問われるのかを知りたいと述べた。
また、この問題は「ウォーターゲート事件より重大だ」と述べ、複数の米政権にまたがるものだと主張した。
マッシー氏が、富豪レス・ウェクスナー氏を含む一部人物の名前が当初なぜ編集で黒塗りにされたのかと追及を続けると、ボンディ司法長官は「これは政治的な冗談だ」と述べた。
公聴会に同席した連邦捜査局(FBI)のカシュ・パテル長官は、エプスティーン元被告がウェクスナー氏に女性をあっせんした「証拠はない」と述べた。
ウェクスナー氏はこれまで、エプスティーン元被告が自身の資産運用を担当していた際に数百万ドルを盗んだと主張してきた。
ウェクスナー氏の代理人はBBCに対し、「アメリカの司法次官は2019年、ウェクスナー氏の弁護団に対し、同氏はエプスティーンに関する情報提供者として見られており、いかなる意味でも捜査対象ではないと伝えた」と述べた。
また、「ウェクスナー氏はエプスティーンに関する背景情報を提供する形で全面的に協力し、その後連絡を受けることはなかった」とした。
3.英王室アンドリュー氏に関し質問
公聴会の中で、民主党のテッド・リュー議員(カリフォルニア州)は、英王室のアンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー氏に言及した。同氏に対しては、告発者のヴァージニア・ジュフリー氏(故人)の家族や関係者から、アメリカ議会で証言するよう求める圧力が高まっている。
アンドリュー氏は一貫して不正行為を否定しており、2022年にジュフリー氏と示談が成立しているが、この合意には責任の認定は含まれていない。
リュー議員は公聴会で、公開資料に含まれていたアンドリュー氏の写真を提示した。その写真では、マウントバッテン=ウィンザー氏が四つんばいになり、着衣の女性に覆いかぶさるような姿勢を取っていた。写真に関する説明は一切示されていない。
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この写真がいつどこで撮影されたかは不明だ。画像自体からは犯罪性を示す情報は読み取れない。
リュー議員は、なぜこれらの写真がマウントバッテン=ウィンザー氏の訴追に使われなかったのかと問いただした。これに対しボンディ司法長官は、自身の前任者であるメリック・ガーランド氏に対してリュー氏が同じ質問を投げかけなかったのはなぜなのかと返した。
「あなたに同意する」とリュー氏は述べ、ガーランド氏が「対応を誤った」と付け加えた。
4.民主党議員らミネアポリスでの捜査を要求
ボンディ氏は、ミネソタ州ミネアポリスで連邦移民当局の職員がアメリカ市民2人を殺害した件についても、議員らの追及を受けた。この事件はアメリカ各地で抗議運動を引き起こしている。
民主党のスティーヴ・コーエン議員(テネシー州)は、これらの銃撃は司法省が捜査しなかった「処刑だ」とボンディ氏に述べた。
「これは間違っている。あなたは捜査すべきだ」と、同議員は述べた。
ボンディ氏は、ミネソタ州での連邦政府の対応を擁護し、抗議者と連邦職員は、選挙で選ばれた当局者らにあおられたのだと説明。この当局者らは法の執行を妨害し、連邦政府と「戦争状態」にあると宣言している人たちだと主張した。
司法委のジム・ジョーダン委員長を含む共和党委員らは、ボンディ氏を擁護した。
ジョーダン氏は、ドナルド・トランプ大統領の不法移民取り締まり政策を実行したボンディ氏の手腕を称賛した。