サカナAIが国産AI開発へ 防衛・サイバーに活用、米中依存リスク排除
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人工知能(AI)開発新興のSakana AI(サカナAI、東京・港)は26日、生成AIモデルの自社開発を始めると発表した。同社として初となる国産のAIモデルを2027年春に投入し、防衛やサイバー防御への利用を見込む。米中などの海外製モデルにAI開発を依存するリスクを抑える。
「私たちは今、自分たちのモデルをゼロから事前学習する取り組みを始めようとしています」。サカナAIのデビッド・ハ最高経営責任者(CEO)は、東京都内の講演会場でこう意気込んだ。
新モデルの「Sakana Sawara(仮称、サカナ・サワラ)」は、膨大なデータをあらかじめ覚え込ませる「事前学習」から自社で手掛ける。11月に開発を始め小規模モデルを27年春に公開、その後大規模モデルの開発を進める計画だ。
大規模モデルの大きさを示すパラメーター数は数千億以上を想定する。米中の先端モデルと比べて小規模なものとなる可能性がある。
6月に一般提供を始めた「Sakana Fugu(サカナ・フグ)」は、複数のAIモデルを組み合わせて高い性能を実現する仕組みだ。国内で運用しており、自国内でAIインフラを構築する「ソブリン(主権)AI」とされているが、組み合わせに含まれる海外製のモデルの影響で性能が左右されるリスクがあった。
サカナAIは防衛や金融でのAI活用に注力している。7月にはAIを使った情報分析について実証事業の契約を防衛省と結んだ。新たに開発する「サワラ」は日本企業が開発した国産の生成AIモデルとして、防衛やサイバー防御で利用しやすい。
ソフトバンクなどを中心に開発を進めるAI開発のNoetra(ノエトラ、東京・渋谷)はロボット制御などに用いるフィジカルAIに焦点をしぼる。サカナAIが事前学習から自社開発するモデルを手掛けることで、防衛など重要分野の国産化を後押しできる。
サイバー防御での活用も期待される。AIがソフトウエアの脆弱性を発見する能力は飛躍的に高まっている。脆弱性をいち早く見つけ、修正することや攻撃の解析などサイバー防御にAIの能力は不可欠になっている。攻撃側もAIで能力を高めており、対応が急務だ。
今後焦点となるのが利用にあたってのコストや開発までの期間だ。サカナAIはモデルの開発にAIを活用して効率を高め、コストの低減を図る。
米中の先端モデルの開発速度は上がっている。米調査会社のアーティフィシャル・アナリシスによると、12日に発表された米メタの「ミューズ・ワンダー」や23日に発表された中国の月之暗面(ムーンショットAI)の「Kimi K3.1プロ」はそれぞれ米オープンAIの最先端モデル「GPT-6」の性能を超えた。
メタはパラメーター規模を大幅に拡大し、ムーンショットAIもパラメーター数が2.8兆と、先端モデルでの競争で大規模モデルの競争が改めて激しくなっている。一方で価格面では中国のディープシークや小米(シャオミ)が高性能低価格モデルで攻勢をかける。
サカナAIは国内最大のユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)だが、企業規模は米中大手よりも小さい。技術力を生かして、海外勢にも引けを取らない高性能で低価格のモデルをつくれるかどうかが問われる。
(山田彩未、小河愛実)
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