FC東京“ウノゼロ3連勝”の立役者ショルツ、左CB継続で保持率70%超ビルドアップ牽引「相手は予想しづらかったはず」

[9.23 J1第31節 FC東京 1-0 福岡 味スタ]

 今夏加入の頼れるディフェンスリーダーは、中2日の連戦でも健在だった。6月下旬のFC東京加入から全試合フルタイム出場が続くDFアレクサンダー・ショルツは前節・川崎F戦(◯1-0)から3日後の福岡戦にも先発出場。対人守備で抜群の安定感を見せつつ、ボール保持率71%を記録したビルドアップの起点を担い、”ウノゼロ”(1-0)での3連勝の立役者となった。

 熱いせめぎ合いが見られた過去2試合とは異なり、この日は10人の福岡相手に苦戦した印象もあったFC東京。試合後、ショルツは「2つのことが言えると思う。3連勝できたのは良いことだけど、もう少し点を取れればというのをみんなが思っていたと思う。特に相手にレッドカードが出た後、もっと点を取れるんじゃないかと皆さん予想していたと思う。ただそこまで簡単じゃなかった」と冷静に振り返りつつ、「点を取ることに関してはもっと向上していかないといけない」と課題を見つめた。  一方、7月以降のJ1リーグ戦では毎試合失点が続き、6試合で11失点を数えていたことを踏まえると、9月の3試合連続のクリーンシートは目覚ましい結果だ。ショルツは「自分たちがミスをしたところから最後のほうは福岡が流れを掴んだと思う」と反省点には目を向けつつも、「全体的に見れば相手のカウンターをコントロールしながら戦えていた。またセットプレーの強みがあるチームなのでそこを避けることを気をつけていた。とにかく“集中”(日本語で)することを心がけていた」と手応えを口にした。  そんなショルツだが、ここにきて起用ポジションに変化が訪れている。

 前節の川崎F戦では加入以来初めてDF土肥幹太とコンビを組み、初めて4バックの左CBに入っていたが、2試合ぶりに森重真人とのCBコンビを組んだこの日も左CBでの起用が継続。今夏の加入以降、森重とのコンビでは森重が左CB、ショルツが右CBを務めていたため、ひそかな“サプライズ起用”だった。

 もっとも、浦和レッズ時代も左利きのDFマリウス・ホイブラーテンが加入するまでは左CBでプレーしており、もともとは”本職”と言えるポジション。特に攻撃時のパフォーマンスは絶大で、この日も左にボールを持ち出しながら相手のプレッシングをいなしつつ、適宜右足で差し込むビルドアップの仕事が効いていた。今後も左利きCBとコンビを組む際は右に戻る見込みだが、“本職”での起用が続いていく可能性がありそうだ。  試合後、ショルツは今回の起用について「相手は予想しづらかったはず」と微笑み、「このチームのいいところは後ろもサイドも前も多くの選手が変わったけど、いろんなコンビネーションができるのが良いところだと思う」と手応えを口に。「左でのプレー、右でのプレー、どちらにもアドバンテージはあるけど、今日の試合ではそう監督が決めてくれた」と前向きに受け止めていた。 (取材・文 竹内達也)●2025シーズンJリーグ特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中

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