米最高裁、トランプ政権による移民追放策の再開容認 つながりのない第三国への移送認める

米連邦最高裁の写真。移民を出身国ではない第三国へ移送するトランプ政権の措置を再開することを認めた/Getty Images

(CNN) 米連邦最高裁は29日、移民に人権上の懸念を訴える機会を与えないまま、出身国ではない第三国へ移送するトランプ政権の措置を再開することを認めた。 年内に口頭弁論を行う方針も明らかにした。

最高裁がトランプ政権による移送措置の実施を一時的に認めるのは、今回で3回目となる。

最高裁のリベラル派判事3人は、この判断に反対した。

トランプ政権は当面、移送措置を継続できるものの、最高裁は本案を審理する口頭弁論を12月に開くことも明らかにした。トランプ政権の移民政策をめぐる注目度の高い訴訟が、最高裁の審理案件に加わることになる。来年7月までに判断が出る見通しだ。

トランプ政権は昨年、移民取り締まり強化策の一環としてこの政策に着手した。 米国が移民を出身国へ送還しようとしても、その国の指導者が受け入れを拒めば、送還は難航する場合がある。トランプ大統領が対応策として打ち出したのが、本人と何のつながりがなくても、別の国へ移送する方法だった。

この政策の下、すでに推計2万5000人の移民が国外に移送されている。

この政策は昨年、移民の権利擁護団体が、当初は南スーダンへ送られる予定だった移民のグループがジブチで拘束されていると明らかにしたことで、厳しい目を向けられることになった。移民らは海上コンテナを改装した施設に収容されていた。

最高裁は本案審理で判断する争点を三つに絞った。トランプ政権に不利な判断を下した連邦地裁にこの訴訟を審理する管轄権があったのか、影響を受けるすべての人を対象とした判断を下す権限があったのか、トランプ政権の政策そのものが合法なのかという点だ。最高裁はまた、トランプ政権側が適切と考える「その他の争点」を提案することも認めた。

最高裁の無署名の短い命令では、今回の判断の理由について説明していない。 政策を差し止めるべきだとしたリベラル派判事3人も、自らの立場について説明しなかった。

トランプ政権は今月24日、第三国への移送を事実上阻止したボストンの第1巡回区連邦控訴裁の判断について、効力の一時停止を求める緊急申し立てを最高裁に行った。政権側は、控訴裁の判断によって「進行中の移送措置に大きな実務上の支障が生じている」として、迅速な対応が必要だと訴えていた。

この訴訟で焦点となっているのが、米上院が1994年に批准した国連の拷問等禁止条約だ。拷問等禁止条約は原則、拷問を受ける恐れのある国への強制送還や引き渡しを禁じている。ただこの条約では、政権がどういった方法で危険性を判断すべきなのか、対象となる移民にどのような手続き上の権利を保障すべきなのかが曖昧(あいまい)になっている。

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