先輩アルボン、来季レッドブルF1残留が不透明な角田裕毅をサポート「本当にユウキを大切に思っている」師弟関係は今でも続く

 ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは、レッドブルで厳しい状況に立たされる角田裕毅と今もよく連絡を取り合っており、できる限りのアドバイスをしていると明かした。

 アルボンは2019年にトロロッソ(現レーシングブルズ)からF1デビュー。レッドブルのピエール・ガスリー(現在はアルピーヌ所属)が不振に陥ったため、シーズン後半は後任としてシニアチームのドライバーに起用された。

 アルボンは2020年もレッドブルに残留したものの、パフォーマンス不足によって翌年にはセルジオ・ペレスにシートを譲ることに。1年間の浪人期間を経て、2022年以降はウイリアムズのレギュラードライバーを務めている。

 F1参戦5年目を迎えた角田も現在、レッドブルでアルボンと同じ境遇にある。

 レッドブルは今年ペレスの後任として初のF1フル参戦となるリアム・ローソンを起用したものの、開幕2戦でまるで歯が立たず。シーズン3戦目から角田が後任を務めることとなった。

 ただ、角田を起用しても長年続くレッドブルのセカンドシート問題は変わらず。フェルスタッペンが勝利や表彰台を重ねる中で角田は入賞に手が届かないレースが続き、まだ契約がない2026年シーズンに向けて“イス取りゲーム”をしている状況だ。今季F1デビューを果たし好調な走りを見せるレーシングブルズのアイザック・ハジャーが、レギュレーション変更のある来年シニアチームに起用される最有力候補なのではないかという話もある。

 そしてレッドブルから角田に対して示されたタイムリミットは3戦後のメキシコシティGP。それまでに、来季シート残留に相応しいと明確に証明する必要がある。

 BBCのポッドキャスト『チェッカーフラッグ』に出演したアルボンは、フェルスタッペンのチームメイトを務めることの厳しさについて尋ねられた際、次のように語った。

「その気持ちはよく分かる。その状況はよく理解できる」

「様々な面で分かれると思う。僕がF1キャリア開始から半年後にレッドブルに加入したのを今振り返ると、当初はまさに窮地に立たされていた。乗りこなせないマシンを任されて、そこから抜け出す経験も知識も持ち合わせていなかったからね」

Alex Albon, Williams

Photo by: Rudy Carezzevoli / Getty Images

 アルボンはそうした経験から角田に対してアドバイスを送ってきた。レッドブルのテスト兼リザーブドライバーとして過ごした2021年にアルボンは、当時F1ルーキーだった角田のサポート役として指南していた過去もある。

「僕は苦戦したけど、当時の僕の経験値や人間としての成熟度的に、あの状況から抜け出す術を理解するには至っていなかったと思う」とアルボンは言う。

「今なら分かるし、同じ気持ちも理解できる。ユウキとはよく話をするし、できる限り彼を助けようとしている」

 そしてアルボンは角田との関係値についてさらに説明しつつ、対峙する4度のF1世界チャンピオンであるフェルスタッペンという壁について自身の経験を語った。

「僕らは素晴らしい関係を築いていて、本当にユウキを大切に思っている。でも状況は厳しい。ガレージの反対側には、おそらくF1マシンに乗る中で最高のドライバーがいるんだからね」とアルボンは続けた。

「これが大胆な発言だとは承知の上だけど、僕は心からそう思っている。彼(フェルスタッペン)は乗り心地の悪いマシンでも操れて、多くの問題をカバーできる。あれを走らせることができるのが彼だけだというのは明らかだよ」

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