NY連銀サービス業活動指数、21年以来の大幅縮小-雇用の急減速を反映
ニューヨーク連銀が発表した同地域のサービス業活動指数は10月、縮小ペースが前月から加速し、過去4年余りで最大のマイナスとなった。事業活動と雇用の急減速を反映した。
ニューヨーク州、およびニュージャージーとコネティカット両州の一部地域における事業活動を示す同指数は、前月比4.2ポイント低下してマイナス23.6。サービス業が新型コロナ禍からの回復途上にあった2021年1月以来の低水準を記録した。指数はゼロが活動の拡大と縮小の境目を示す。
雇用指数は2カ月連続で縮小したほか、事業環境の指数もマイナス圏が続いた。
前日に公表された10月のニューヨーク連銀製造業景況指数とともに、今回の統計は政府政策の急激な変化を背景に、企業経営環境が今年に入って厳しさを増していることを浮き彫りにする。企業は関税引き上げに伴うコスト増の抑制に取り組む一方で、長引く景気不透明感や移民規制による雇用面での課題にも直面している。
投入コストは伸びが加速し、2023年2月以降で2番目の高水準となった。一方、販売価格の上昇ペースは鈍化した。サービス業者の今後6カ月の業況見通しはやや悲観度が和らいだものの、依然としてマイナス圏にとどまった。
「企業は総じて、事業環境が今後数カ月に改善するとは見込んでいない」と、ニューヨーク連銀の経済調査顧問、リチャード・ダイツ氏は発表文で指摘した。
今回の調査回答は10月2-9日に収集された。
フィラデルフィア連銀製造業指数
フィラデルフィア連銀が別に発表した10月の同地域の製造業景況指数は、6カ月ぶりの水準に低下した。ただ、統計の詳細は強弱まちまちだった。
デラウェア州、およびニュージャージーとペンシルベニア両州の一部地域における製造業活動を示す同指数は、マイナス12.8。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値はプラス10。前月はプラス23.2だった。
新規受注指数はプラス18.2と、3カ月ぶりの水準に上昇。一方、回答者の半数は投入価格の上昇を報告した。販売価格の指数も伸びが加速した。
フィラデルフィア連銀の調査対象企業は、6カ月先の業況見通しについて5月以降、楽観を強めている。ただし、今後1年に設備投資を増やすと見込む企業の割合は2024年の水準を下回る。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:NY Fed Regional Services Activity Shrinks by Most Since 2021 (1)(抜粋)
— 取材協力 Mark Niquette