ツール・ド・フランス2025 開幕 第1ステージはフィリプセンが制してマイヨ・ジョーヌ|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp
世界最大の自転車レースである第112回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)が、7月5日にフランス北部ノール県のリールで開幕した。
スタートラインには昨年総合優勝したポガチャル、総合2位のヴィンゲゴーと共にナショナルチャンピオンたちが勢揃いした (photo : A.S.O. /Charly Lopez)
初日はリール・メトロポールがスタートとゴールの184.9kmで、平坦区間の第1ステージが競われ、ベルギーのヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が集団ゴールスプリントを制して区間通算10勝目を上げ、最初のマイヨ・ジョーヌを手中に収めた。
区間2位はエリトリアのビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ)、3位はノルウェーのセーレン・ヴァーレンショル(ウノエクス モビリティ)だった。
第1ステージで優勝したベルギーのフィリプセンが念願のマイヨ・ジョーヌを獲得した (photo : A.S.O. /Charly Lopez)
💪 Perfect team work, perfect delivery!
💪 Travail d’équipe parfait, victoire d’école !#TDF2025 pic.twitter.com/6IWwxtbu1H
— Tour de France™ (@LeTour) July 5, 2025
エシェロンでログリッチとエヴェネプールが39秒遅れ
第1ステージは強風の中、ゴールまで残り18kmでオランダのチームヴィスマ・リースアバイクが集団分断(エシェロン)を成功させ、40人ほどの集団が先頭でゴールした。
ディフェンディングチャンピオンで世界チャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ・XRG/スロベニア)とデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(チームヴィスマ・リースアバイク)は先頭集団でゴールしたが、スロベニアのプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)やベルギーのレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)は39秒遅れの集団でゴールし、初日からライバルたちに大きな差を付けられる事になってしまった。 ガンナが落車でリタイア
スタート前に固い握手を交わしたポガチャルとヴィンゲゴー (photo : A.S.O. /Charly Lopez)
第112回大会は23チームの184選手が、北フランスのリール・メトロポールから3週間の長旅に出発した。オフィシャルスタートと同時に地元フランスのマテオ・ヴェルシェ(トタルエネルジー)が飛び出し、5人の逃げグループが形成された。ヴェルシェは41.2kmのノートルダム・ド・ロレットの丘(カテゴリー4)で山岳ポイントを狙ったが、同郷のバンジャマン・トマ(コフィディス)に先を越されてしまった。
集団では52km地点の右コーナーでイタリアのフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアズ)が落車する事故が発生。彼はレースを続けたが、ゴールまで残り62kmで棄権し、今年のツールのリタイア1号になってしまった。この落車ではスイスのシュテファン・ビセッガー(デカトロン・AG2Rラモンディアル チーム)もレースを棄権した。
最初の逃げが捕まった後、87.5kmの中間スプリントはイタリアのジョナタン・ミラン(リドル・トレック)が先頭で通過した。その直後にヴェルシェが再びアタックを決め、トマが合流して2カ所目の丘を目指した。106km地点のモン・カセルの丘(カテゴリー4)の頂上で、2人はスプリントを競い、トマが2ポイント目を獲得してこの日のマイヨ・アポワ獲得を確実にした。しかし、石畳のスプリントでトマは転倒し、ヴェルシェを巻き込んでしまった。2人はその後すぐ集団に吸収された。
(photo : A.S.O. /Charly Lopez)
この日最後のモン・ノワールの丘はヴィンゲゴーが先頭で通過した。彼はゴールまで残り18kmで自ら先頭を引き、集団分断(エシェロン)を成功させた。40人ほどになった先頭集団には、フィリプセンがマチュー・ファンデルプールとケイデン・グローヴズを含めた4人のチームメイトと一緒に加わっていた。アルペシン・ドゥクーニンクは列車を組んでスプリントをお膳立てし、フィリプセンは難なく通算10勝目を勝ち取り、念願だったマイヨ・ジョーヌを獲得した。
■区間通算10勝目を上げてマイヨ・ジョーヌを着たフィリプセンのコメント 「本当に素晴らしい。ツールでのこの10勝目は決して忘れないだろう。信じられないチーム・パフォーマンスだった。1日中神経質で、我々は前に居なければならず、最後の15kmで流れが変わった。我々は力を使い、やり遂げたんだ。自分がとても良い脚を持っているのは分かっていたし、最後の数kmに居たファンのみんなには鳥肌が立った。やらなければならなかったし、脚にはアドレナリンの働きでエクストラな力が与えられた。信じられないような気分だよ。
今日、我々は素晴らしいチャンスに恵まれ、それを獲得してとても嬉しい。マイヨ・ジョーヌを夢見ていた。2年前にマイヨ・ベールを取って、今度はマイヨ・ジョーヌを家に飾れるなんて本当に素晴らしい。これをチームでエンジョイする。我々は全員それに値する。ファンデルプールは2021年にこのマイヨを獲得していて、チームとしてこの成功を繰り返す事ができたのは素晴らしい。ボクにとってもマイヨ・ジョーヌを取る初めての大きなチャンスで、それを実現できてとても満足している」
ベルギーのフィリプセンがツールで通算10勝目を上げた (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)
■第1ステージ結果 [7月5日/リール・メトロポール~リール・メトロポール/184.9 km] 1. J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) 03h 53′ 11” 2. B. GIRMAY (INTERMARCHÉ – WANTY / ERI) 3. S. WAERENSKJOLD (UNO-X MOBILITY / NOR) 4. A. TURGIS (TOTALENERGIES / FRA) 5. M. TRENTIN (TUDOR PRO CYCLING TEAM / ITA) 6. C. RUSSO (GROUPAMA-FDJ / FRA) 7. P. PENHOET (GROUPAMA-FDJ / FRA) 8. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) 9. M. MAYRHOFER (TUDOR PRO CYCLING TEAM / GER)
10. S. WATSON (INEOS GRENADIERS / GBR)
18. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) 20. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) 67. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 39”
79. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 00′ 39”
■第1ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ) 1. J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) 03h 53′ 01” 2. B. GIRMAY (INTERMARCHÉ – WANTY / ERI) + 00′ 04” 3. S. WAERENSKJOLD (UNO-X MOBILITY / NOR) + 00′ 06” 4. A. TURGIS (TOTALENERGIES / FRA) + 00′ 10” 5. M. TRENTIN (TUDOR PRO CYCLING TEAM / ITA) + 00′ 10” 6. C. RUSSO (GROUPAMA-FDJ / FRA) + 00′ 10” 7. P. PENHOET (GROUPAMA-FDJ / FRA) + 00′ 10” 8. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 00′ 10” 9. M. MAYRHOFER (TUDOR PRO CYCLING TEAM / GER) + 00′ 10”
10. S. WATSON (INEOS GRENADIERS / GBR) + 00′ 10”
[各賞] ■ポイント賞:J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL)
(※第2ステージは A. TURGIS (TOTALENERGIES / FRA) が着用)
■山岳賞 : B. THOMAS (COFIDIS / FRA) ■新人賞 :B. GIRMAY (INTERMARCHÉ – WANTY / ERI) ■チーム成績:TUDOR PRO CYCLING TEAM (SUI) ■敢闘賞 : M. VERCHER (TOTALENERGIES / FRA)地元フランスのトマが山岳賞のマイヨ・アポワを獲得した (photo : A.S.O. /Charly Lopez)
地元フランスのヴェルシェが敢闘賞を受賞した (photo : A.S.O. /Charly Lopez)
第2ステージは丘越え区間
●第2ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)
7月6日はロワン・プランクからブローニュ・シュル・メールまでの209.1kmで、丘越え区間の第2ステージが行われる。
スタート前のチームプレゼンテーションに飛び入り参加したカヴェンディッシュ (photo : A.S.O. /Charly Lopez)
ツール初参加のチューダー プロサイクリングチーム(スイス)はフランスのアラフィリップがエースを務める (photo : A.S.O. /Charly Lopez)
(photo : A.S.O. /Billy Ceusters)
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