北朝鮮、米の対イラン攻撃非難 「主権侵害」
[ソウル 23日 ロイター] - 北朝鮮外務省は23日、米国の対イラン攻撃を強く非難した。主権国家の安全保障上の利益と領土権に対する重大な侵害だとしている。
国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が報じた。
同省は現在の中東情勢の緊張の原因は米国とイスラエルにあると主張。イスラエルの「絶え間ない戦争の動きと領土拡張」が緊張を生み出しているが、西側諸国はイスラエルの動きを受け入れ、奨励していると批判した。
北朝鮮外務省は「米国によるイラン攻撃を強く非難する。米国は主権国家の領土の一体性と安全保障上の利益を暴力的に踏みにじった」との声明を発表。
「公正な国際社会は、米国とイスラエルの対決的な行為に対し、全会一致で非難と拒絶の声を上げるべきだ」と述べた。
イランと北朝鮮は友好関係を維持しており、弾道ミサイルの開発など軍事協力の可能性が数十年前から指摘されている。
国連の制裁を監視していた専門家パネルは2021年、両国が重要部品の移転を含む長距離ミサイル開発プロジェクトで協力を再開したと明らかにした。
米カーネギー国際平和財団のアンキット・パンダ氏は「北朝鮮は、破壊されたイランのミサイル製造施設の再建で重要な支援を提供する可能性がある。これには監視の目を逃れるための新しい場所での建設支援も含まれるだろう」と語った。
一方、イランの核兵器開発計画に関しては、そうした技術を巡る政治的・軍事的配慮から、再構築や加速に向けた取り組みで両国が実質的な協力に関心を示すかどうかは不透明だという。
パンダ氏は「北朝鮮が兵器の設計に関して拡散を望まない事項もある。イランに持ち込まれた場合、米国に発見され、北朝鮮の抑止力を弱めるために利用される可能性があるからだ」と述べた。その上で、北朝鮮は兵器化の実質的な経験があり、通常爆弾など核分裂性のない核爆弾の部品で支援できる可能性があると指摘した。
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