宇宙は5000億年に1回転している!?“宇宙の膨張の謎”を解くかもしれない新理論が登場(スペースチャンネル)

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回転する宇宙のイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)

何だか最近、頭が回転している気がするという皆さん。実はそれ、決して気のせいではなく、宇宙が回転していたからかもしれません。そんな大胆な理論が登場し、長年天文学者たちを悩ませてきた、宇宙の膨張の謎への解決策となる可能性が注目されているのです。

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宇宙の膨張速度が抱える矛盾

宇宙の進化 出典:NASA / wa a bee(和訳)

1929年、天文学者エドウィン・ハッブルによって「宇宙は膨張している」ことが発見されました。この宇宙の膨張速度を表すのが「ハッブル定数」です。

しかし現在、ハッブル定数の測定方法によって数値が約10%も異なるという矛盾が存在しており、これが「ハッブル・テンション」と呼ばれています。具体的には、超新星などを用いた観測と、宇宙背景放射(CMB)を用いた観測では、互いの膨張速度が異なるのです。この違いは未解決のままであり、現代宇宙論の「最大の謎」とも言われています。

そこで今回、ハワイ大学マノア校の天文学者イシュトヴァーン・サプディ氏らのチームは、「宇宙が5000億年に1回回転する」という仮説をこの矛盾に応用しました。この発想自体は新しいものではなく、数学者クルト・ゲーデルが1949年に提唱しており、スティーブン・ホーキング博士も関心を示していた概念です。

宇宙の「超スロースピン」とは?

回転する宇宙のイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)

今回の研究では、ニュートン力学に一部一般相対性理論の要素を加えたモデルを使い、超スローな回転を取り入れることで矛盾をなくすことに成功したというのです。「驚いたことに、このモデルは観測データと矛盾せず、ハッブル定数のパラドックスを解消できたのです」とサプディ氏は述べています。

このモデルによると、宇宙は1回転に5000億年もかかる非常に遅いスピードで回転している可能性があります。あまりに遅いため、現在の観測技術では検出不可能ですが、それでも宇宙の膨張に微妙な影響を与えることができるとのことです。

サプディ氏は、「すべてが回る(Panta Kykloutai)」という古代ギリシャ哲学者ヘラクレイトスの言葉を引用し、「この考え方が宇宙全体にも当てはまるのではないか」と語っています。

今後の展望と課題

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河NGC4414 出典:NASA

ただし、この理論にはまだ制約があります。モデルは完全な一般相対論的なアプローチではなく、また宇宙の密度変化を考慮していない点も今後の課題です。

研究チームは今後、より複雑なシミュレーションや観測データとの比較を進める予定で、他の宇宙論モデルとの整合性も検証していくとしています。

現時点で「宇宙が回転している」という証拠は決定的ではありませんが、過去の観測では、銀河が一定方向に回っているように見える傾向が示唆されたこともあり、この仮説が今後の研究のカギを握る可能性があります。

宇宙の成り立ちに関する新たな視点として、回転宇宙モデルは私たちの「宇宙観」に新しい風を吹き込んでくれるかもしれません。皆さんの何だか回転している気がするという違和感は解消されましたか?是非コメントお待ちしています。

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