太陽生命は超長期債2700億円積み増し、外債と株売却で原資-年度計画

日高正裕

  • 超長期債の利回りは「買うには良い水準だ」-佐藤運用企画部長
  • 外債などの売却は「できるだけ早めにやりたい」と佐藤氏

太陽生命保険は利回り水準の上昇に伴い2025年度に超長期債を中心に国内債券を2700億円程度積み増す方針だ。

  佐藤義剛運用企画部長が18日の運用方針説明会で明らかにした。投資対象である超長期債の利回りは「買うには良い水準だ」と述べた。外国債券と内外株式を売却した資金を円債に振り向けていく。外債などの売却は「できるだけ早めにやりたい」としている。

  T&Dホールディングス傘下の太陽生命と大同生命保険や富国生命保険は円債志向で、明治安田生命保険とは対照的だ。日本銀行の利上げによる金利先高観から24年度は総じて投資に慎重だった生命保険だが、利回り上昇を投資機会と捉える動きが出始めており、債券相場には支援材料になる。

関連記事:明治安田生命、前年度に続き円債4000億円弱削減-外債と外株積み増し

  太陽生命は24年度に国内債を1100億円積み増した。年度下期段階での計画では最大3000億円程度積み増す方針だったが、一部売却により計画を下回った。外債はヘッジコスト高止まりで24年度に1500億円削減したのに続き25年度も1000億円減らす。内外株式も24年度に時価ベースで1000億円超売却したのに続き25年度も1100億円売却する。

  佐藤部長は超長期金利について「ピークアウトしてくる」と述べた。日銀の利上げは秋口に1回とみている。利上げは1-1.5%が到達点との見方があったが、米関税政策が「間違いなく景気に悪影響を及ぼし、利上げ到達点も下がってくる」として、利回り曲線はフラット(平坦)化を見込んでいるという。

  年度の金利は20年債が1.6-2.6%(年度末2%)、30年債が2-3%(同2.3%)を想定している。

【太陽生命の2025年度運用計画】

国内債券 2700億円増加 国債と事業債等の残高積み増し 外債 1000億円減少 為替ヘッジコスト高止まりから残高削減 内外株 1100億円減少 政策株からの振替銘柄中心に残高削減 不動産 横ばい   オルタナティブ 増加 超過収益獲得を目的に残高拡大

【金融環境見通し:2025年度の想定レンジ(26年3月末)】

国内10年金利(%) 0.8-1.8(1.4) 米国10年金利(%) 3-5(4) 日経平均(円) 29000-41000(38000) NYダウ(ドル) 33000-46000(44000) ドル円(円) 130-155(135) ユーロ円(円) 145-172(150)
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