【オートレース】たとえ雨が降ったとしても…青山周平、大会3連覇へ挑む~特別G1共同通信社杯プレミアムカップ

◆共同通信社杯プレミアムカップ(特別G1、4日目・22日、山陽オートレース場)

 またも一強NO1の風格と威厳と存在感を徹底的に示したここまでの4日間だった。

 準決勝戦12Rを青山周平が完全制圧した。スタートこそ外枠勢の石本圭耶、佐藤摩弥に先んじられたが、展開隊列が整い切る前に、一気に突破してすぐさま首位ポジションへ。あとは優雅に悠々と悠然と押し切って大会4連勝負けなしゴールを達成した。

 「いやあ、スタートはやばかったあ~(苦笑)。ワァ~やっぱりマヤちゃん(8枠の佐藤)が来るのかあ~ってびっくりしちゃいました。でも、あとはサイコ~でした。タイムも出ましたし(この日トップの3秒394)、エンジンはすごくいいと思います! ああ、でもマジでスタートは危なかったですねえ(ホッとした表情で)」

 春のプレミアムカップも制覇し、これで今年2度目の同タイトル獲得に完全王手を掛けた。

 というわけで、みなさん。ここでまたしても悩ましき雨問題の再燃です。

 ご存じの通り、2025年シーズンの大チャンピオンは年間を通して、良走路ではもはや完全無欠の無敵状態が絶賛継続中である。

 好天ならば、セミファイナルが終了した時点で、V戦の最イン枠に収まった時点で、ほぼほぼ栄冠は青山に渡ることで確定モードだろう。

 しかし、これが同じ響きの「こうてん」でも荒天になると、また少し話題が変わってくる。

 現在、ストロングブルーの最大なる難敵はライバルたちよりも雨である。

 特に今年はグレード大会の大事な丁場で降雨に見舞われて、ウルトラパワーと超速を剥奪されてしまうシーンが少なくなかった。

 さて、秋分の日決戦の当日天候やいかに。

 これが結構な高いパーセントの降水確率がアナウンスされているわけです。

 盤石に準決勝戦を制した後、青山に天候の話題を振ってみた。

 すると、王者は究極の苦笑いを浮かべながら、もどかしい心境を口にした。

 「はあ~。雨ですかあ。う~ん、最近は一時期よりはずいぶんとマシにはなってきたと自分では思ってはいるんですけれどね。それでもまだまだ人間が全体的にそこまでうまく乗れていないというか…。これはもう練習を重ねていくしかないし、タイヤを含めてしっかりと準備をするしかないんですけれどね。う~ん、どうなんでしょうかね…」

 実際のところ、彼が雨をこなせないわけがない。

 エンジンはうなり切り、乗り手の腕だって極上中の極上なわけで。

 でも、じゃあなぜ良走路ほどの迫力を繰り出すことができずにいるのか。

 雨を高いレベルで乗りこなす選手たちの多くは、とにかくウェットにフィットしたタイヤを事前用意しておくことが攻略の大きな武器になると話す。

 また晴れと雨でセッティングをチェンジして対策する雨巧者も少なくない。

 そのことを青山に確認すると、「まあ確かにタイヤは大切だと思いますね。自分は雨用のセットはないんですよ。すべて晴れセットのままです。だって、雨が降ることは一切考えていないので(苦笑)。はあ、もう雨、雨、雨って言わないで下さいよお~(超苦笑)」

 でも、しかし。記者個人としては、雨になっても全く心配も不安もないと思っている。

 だって、彼は誰なんですか。そうです、そうです、天下の青山周平なんですよ。大丈夫に決まっているじゃないですか。

 今回のV戦もおなじみの最強ポールポジションの1枠に収まった。最インから強烈なトップダッシュをかまして、早々と先頭に立てば、現在のモーター気配なら必ずや後続を抑え込んで押し切れる。後方からならいざしらず、チャンピオンの走りたいコースを先取りしてマイラインをなめ続ければ、きっとVに届く。そう確信している。

 「そうですね、わかりませんが逃げる形ならまた違うかもしれませんね。というか、もしも降ったら、その時は雨になってザンネンでしたあ~と腹をくくって割り切ります(苦笑)。もうそれぐらいの腹づもりで走ってきますよ! だって、いきなり当日になってメッチャ乗れるようになるわけがなく、これからも人間を鍛えていくだけですもんね!」

 さあ、王者よ。しぶきを弾かせて勇ましく進撃せよ。青山周平がなんたるかを雨にしぐれるコース上で万人に見せつけてやれ。真の王者にテルテルぼうずなんて必要ないですって(でも、こっそり天候が崩れないことを祈願しておきます)。

(淡路 哲雄)

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