自民議員パーティーで官僚が「サクラ」に 今なお政官財「結束」の場

読む政治

毎日新聞 2025/11/13 18:01(最終更新 11/14 07:25) 有料記事 1631文字
自民党の党大会で演説をする当時の岸田文雄首相。政策集団の政治資金パーティーを禁止した=東京都港区で2024年3月17日、渡部直樹撮影

 自民党の結党以来、官僚、財界の3者で協力関係を築いてきた「鉄のトライアングル」が、派閥裏金事件を機に変わりつつある。

 「まるで解けていくようだ」(総裁経験者)ともささやかれる中で迎える結党70年。政官財の関係は転換期を迎えている。

 <関連記事> 「政策はタダでは…」と迫る自民秘書 裏金事件後もカネ集めに奔走 政調会長アポで100万円 「鉄の三角形」で外資系コンサルが台頭

高級官僚が足早に向かった先は

 参院選で自民が大敗を喫した後の今夏、国会から程近い東京・赤坂のホテルの車寄せに、議員や財界関係者のほか中央官庁幹部を乗せた公用車が次々に止まり、ドアを閉める音がエントランスに響き渡った。

 車から降りた省庁の次官、官房長、局長らが足早に向かう先は自民党・商工族議員が開く政治資金パーティーだ。

 裏金事件を受けて党は政策集団(派閥)によるパーティーを禁じたが、個々の議員での開催は認められる。パーティー券収入が政治団体における収入全体の約6割を占める議員もおり、貴重な収入源となっている。

 パーティーは政治資金規正法で認められた集金手段だが、利益率が9割超になることもあり、事実上の献金と指摘される。

 パーティー券は1枚2万円が相場だ。議員らは、売り上げから会場費や食事代、手土産代などの経費を差し引いた利益を、政治活動の資金にすることができる。課税はされない。

パーティーでの官僚の作法

 主催者が懇意の官僚を招いたのは、「サクラ」と…

関連記事: