米最高裁、トランス兵士排除の大統領命令を当面容認
米連邦最高裁は5月6日、トランスジェンダーの人たちを米軍から排除するとしたトランプ大統領の命令について当面認める判断を示した。4月23日撮影のイメージ写真(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
[6日 ロイター] - 米連邦最高裁は6日、トランスジェンダーの人たちを米軍から排除するとしたトランプ大統領の命令について当面認める判断を示した。これにより関連の訴訟が続く間、現在軍務に従事するトランスジェンダーの除隊処分や、トランスジェンダーの新規入隊拒否が実行されることになる。
トランプ氏は大統領1期目に、トランスジェンダーの軍入隊禁止命令を発出。バイデン前大統領がこれを撤回したが、トランプ氏は2期目の就任直後、バイデン氏の撤回措置取り下げを指示していた。
こうしたトランプ氏の方針を不服とした人権団体などが提訴し、シアトルの連邦地裁ではトランプ氏の命令は合衆国憲法違反とされ、執行差し止めの仮処分が下された。
この連邦地裁の措置に異議を唱え、仮処分の解除を申し立てた司法省の主張を最高裁が受け入れた形だ。ただ最高裁判事9人のうちリベラル派の3人は、今回の決定に反対を表明した。
人権団体ら原告側は、最高裁の決定は「国防に貢献する意思と能力を証明してきたトランスジェンダーの兵士たちにとって大打撃」になったと指摘。偏見だらけの政策にお墨付きを与えたと非難した。
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