米国、集団的自衛権でイラン核施設攻撃と主張 国連安保理で

米国のシェイ国連臨時代理大使は24日の国連安全保障理事会で、米国によるイランの核施設攻撃は「イランの核兵器製造能力を低下させるという限定的な目的を効果的に完遂した」と述べた。国連安保理に出席するシェイ氏(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

[国連 24日 ロイター] - 米国のシェイ国連臨時代理大使は24日の国連安全保障理事会で、米国によるイランの核施設攻撃は「イランの核兵器製造能力を低下させるという限定的な目的を効果的に完遂した」と述べた。

 さらにシェイ氏は「国連憲章にのっとり、国家が本来有する集団的自衛権に基づいた攻撃であり、目的はイスラエルとその地域、より広くは国際の平和と安全に対するイランの脅威軽減だった」と主張した。

 イランのイラバニ国連大使は「イランはこの犯罪的な侵略行為に直面しながらも、誇り高く揺るぎない姿勢を示した。それによって、これまでになく明確になった1つの単純な真実がある。イランの平和的核計画を巡る無用な危機を解決するには、外交と対話こそが唯一の道ということだ」と述べた。

 ロシアのネベンジャ国連大使も米国の主張を批判する構えを示した。

 米軍の攻撃対象となったのはイランにある複数の主要ウラン濃縮施設。トランプ大統領は「完全に全てが壊滅された」と強調したが、イスラエルのダノン国連大使は24日、記者団に対し「評価は時期尚早とみている。われわれの認識では(核開発)計画を遅らせ、差し迫った脅威を排除することはできた」と述べるにとどめた。

 米情報機関の暫定的な分析によると、核開発計画を遅らせたものの、その影響は数カ月程度にとどまる見通しだという。事情に詳しい関係者3人がロイターに明らかにした。 もっと見る

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