JWST初の太陽系外惑星、直接撮像で発見 第2の地球探しの後押しに
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いた天文学者チームが、太陽系の土星とほぼ等しい質量を持つ、これまで未検出の太陽系外惑星を直接的に撮像観測することで新たに発見した。太陽系から約111光年の距離にある若い恒星を公転しているこの惑星は、JWSTによって発見された初の系外惑星であり、これまでに直接撮像法で見つかった中で最も軽い惑星となる。より軽量の地球型系外惑星の直接撮像に向けた道を開く画期的な成果だ。 【画像】系外惑星TWA 7bの周囲に空隙領域があるのをはっきりと確認できる ■重要な事実 TWA 7bと命名されたこの系外惑星は、主星TWA 7を取り巻くデブリ円盤(岩石や氷の破片や塵からなる星周円盤)の内部で発見された。質量は過去に直接撮像された系外惑星に比べて10分の1ほどだ。 主星のTWA 7は小型の赤色矮星で、南天の星座のポンプ座の方向わずか111光年の距離にある。周囲に3つのリング状構造があり、内部で惑星が形成されている可能性があることが以前より知られていた。 TWA 7bは、JWSTに搭載のMIRI(中赤外線観測装置)を用いて検出された。MIRIは過去の直接撮像観測で使われた機器に比べてはるかに高感度だ。リングや空隙などの構造を持つデブリ円盤の内部にあり、円盤の構造形成に直接関連づけられる惑星が検出されたのは今回が初めてとなる。 今回の発見のわずか2週間前には、JWSTのNIRCAM(近赤外線カメラ)を用いて直接撮像した低温の系外惑星14 Herculis cの画像が公開された。14 Herculis cはヘルクレス座の方向約60光年の距離にあり、木星の約7倍の質量を持つ。 ■TWA 7bはどのようにして見つかったか TWA 7bは、MIRIに搭載された観測装置のコロナグラフを用いて発見された。コロナグラフは、円盤で主星を覆い隠して恒星光を遮蔽し、人工的に日食を起こすことで、主星の周囲にある惑星の姿を確認できるようにする。太陽系外惑星の発見方法の中で、現時点で最も多くの系外惑星を発見しているのがトランジット法だ。主星の前を惑星が横切ることで主星の明るさがわずかに減光するのを記録するこの手法では、惑星の直径や主星からの距離(軌道長半径)などを計算で求めたり、惑星の大気を通過してきた主星の光を調べたりすることが可能になる。