iPhone 17 ProもAirも魅力的、それでもAppleの新製品を”買わない”理由

 毎年秋の「Apple Event」。今年は9月10日の午前2時から開催された。俺の場合は最近昼夜逆転気味というのもあり、リアルタイムでイベントを視聴した。

 事前の各種リーク情報などから、2025年秋のイベントではスゴそーなモノは出てこないような雰囲気があった。そう……なの……かもしれない。まあiPhoneをはじめとするAppleデバイスは、それぞれもうハードウェア性能がかなり高くなってしまって、その状態からさらに革新的とか革命的とかいった飛躍はなさそうに思う。

 だがしかし!!! むしろ!!! 逆に!!! その状況からスゴいのを出してくるのがApple!!! そして今年も俺を驚かせて、俺に大散財をもたらすに違ぇねえッ!!! などと前のめりでイベントを視聴した、のだ、がッ!!!

 率直なところ、期待外れであり肩透かしであり拍子抜けであり、「コレは買うしか!」と思えるモノがひとつもなかった。俺史上、非常に珍しく、「ひとつも、なかった」のだ。いや、魅力的なモノはけっこうあった。欲しいニャとも思った。

 たとえば超薄の「iPhone Air」とか。この手に持ってみてぇ!!! 薄さを実感してぇゼっ!!!

 あるいは「AirPods Pro 3」。「AirPods Pro 2と比べて最大2倍の性能」とかゆってるぅ~! 体験してみてぇッ!!!

 それに「iPhone 17 Pro」もイイ感じ。コズミックオレンジは俺的に好みの色ッ!!!

 とまあ、魅力的な新製品がガスガスと出てきたわけだが、どの製品についても「よーし、じゃあ買おう!」と思うに至らなかった。「とってもイイけど……今回は買わない……か……な?」みたいな。

 イベント開始後、まあたぶんiPhoneは買い換えるんだろうな~と思っていた。前述のとおりコズミックオレンジというカラーは好みなので、買うならiPhone 17 Pro Maxのコズミックオレンジだなとは思ったのだが、んんんん~、今使ってるiPhone 16 Pro Maxでいいや~、と。

使用中のiPhone 16 Pro Max。コズミックオレンジっぽいカバーを装着している。モノはSpigen(シュピゲン)の「Classic C1(MagFit)」で、カラーはタンジェリンだ。

 買い換えたいと思わなかった理由は複数ある。まずiPhone 16 Pro Maxと比べてガラリと一変したような性能や機能性がないこと。また、俺的にはあの背面のデザインに違和感をおぼえた。シンプルさに欠けるような……Appleらしからぬデザイン? Apple Intelligenceがドーンと進化して……というのもなかった。

AppleのiPhone 17 Pro製品ページにある、旧iPhoneとiPhone 17 Proを比較できる表。しかし、比較対象にはiPhone 16シリーズが含まれていない。16と17とでは大きな差はないってこと?

 iPhone 17 ProとiPhone 16 Proの差はある。チップセットも冷却システムもカメラ画素数も違っていて、iPhone 17 Proのほうがシッカリと高性能だ。

 だが、目新しさというか、機能・性能からくる強い誘惑というか、そういう“ヒキ”が感じられないのであった。コズミックオレンジいいな~とは思うものの、デザインがな~とか思ったりもして、なんかこうプラマイゼロ? みたいなトコロも。

 スマートフォンとしてiPhone 17 Proはスゲいのである。高性能コンピュータであり高速通信機器であり高画質撮影機材でありAIも使えて電話もかけられる。こういうのが俺の学生時代にあったりしたら人生違ってたろうなあ、くらいにスゴいと思える端末だ。

 学生時代には8mmフィルムとか8mmビデオとかで映像作品を撮ったりしていたが、あのときにiPhone 17 Proがあったら撮れた本数がケタ違いだと思う。いやiPhone 17 ProじゃなくてiPhone Xくらいでも当時の状況が激変していたと思う。

 とか考えると、そういう凄いパフォーマンスと機能を備えたポケッタブルな何でもマシーンであるiPhone 17 Proを買いたいゼッ!!! と一瞬思うわけだが、しかし、手持ちのiPhone 16 Pro Maxでもだいたい同じコトできるしなぁ~、と。

 俺が仮にiPhone 13とか14とかあたりを使っていたら、「じゃあそろそろ17に乗り換えるか!」となったと思う。だが、最近の世代のiPhoneは機能性能が上限に達している感があったりするので、16から17に乗り換える気にはイマイチならない。

 しかも円安。iPhone 17 Pro Maxをいちばん安い構成で買っても税込19万4800円もする。

iPhone 17 Pro Maxの256GBを各種オプションなしの最安構成で買っても税込19万4800円なのであった。

 手持ちのiPhone 16 Pro MaxをTrade Inで下取りに出すと、11万円の値が付いた。ので、上記構成のiPhone 17 Pro Maxを8万4800円で手に入れることはできる。

 気分的には「こういうタイミングで買い換えちゃうほうがいいんだけどなー」って感じだったりする。だが、「買い換えてもあんまり嬉しくないしテンション上がらなさそう」という気分もある。

 とか言いつつ来月あたりに「気が変わった」とか言って買い換えたりするかもしれない俺ではある。だが、しかし、現在は、んんんん~、今使ってるiPhone 16 Pro Maxでいいや~、というベクトルが強いのであった。

 魅力的だと感じた新製品として、iPhone 17以外にiPhone AirとAirPods Pro 3も挙げた。欲しいナ~と思った、ような気がした。

 だが試しに、自分に対して「キミはiPhone AirとAirPods Pro 3が欲しいのか?」と問うてみた。すると「えっ……あの……欲しいっていうかなんか、えっと、試してみたい感じ?」とオロオロして答える俺がいた。

 あの薄いiPhone Airをハダカで使って颯爽と通信したりしてみたいぜぇ?!!! とは思うのだが、そーゆー体験をちょっとしたいだけで、iPhone Airを所有したいってことではないのかもな~という考えに至った次第。

 iPhone Airは5.64mmという驚きの薄さである。だが、少し冷静になって考えると、そーんなに驚くほどの薄さではないかもしれない。

 2014年発売のiPhone 6は、歴代iPhoneとしてはiPhone Airに次ぐ薄さで6.9mm。その差は1.26mm。定規を眺めると「こんなモンか」って差である。

 いや1mm以上差があれば「あー薄いわ~」と実感できるだろう。さらにiPhone 16 Pro Max(厚さ8.25mm)と比べると2.61mmも薄いので「うっわ薄っ!」と驚けるハズだ。

 だが「どうせカバーしちゃうんだろうなあ」、「薄さを求めるだけで最安構成税込15万9800円かぁ」といったノイズが脳内に発生する。

 iPhone 16 Pro Maxを11万円で下取りに出せばiPhone Airが4万9800円で手に入る! とか思ったりもしたが、いや、iPhone 16 Pro Maxは撮影機材として必須なので、iPhone Airとの2台持ちとなるであろー。

 つーか、似たようなサイズのiPhoneを2台持ちするかぁ? Google Pixel 9 Pro Foldも持ち歩くから3台持ち? などと新たなノイズが脳内に溢れる。

 iPhone Airの魅惑の薄さには興味があるが、興味があって触れてみたいくらいなモンで、欲しいわけではないのだ。また、どんどん脳内に出てくるノイズを掻き消すほどのインパクトは、iPhone Airに感じられない。……iPhone Airのカラーにコズミックオレンジがあったら少しよろめくかもしれないが。

 上記のような調子で、AirPods Pro 3なんかも買うに至らないのであった。AirPods Proは世代違い・機能違いで3個使っているが、通勤とかするわけでもないし、毎日は使っていない。たまに使う程度。なのでAirPods Pro 3は魅力的とは思うものの、4個目として買うことは、まあナイであろー。

 エクストリームスポーツ向けの「Apple Watch Ultra 3」にも少し興味がある。だが、「Apple Watch Ultra 2」を使っているし、そもそもUltraシリーズは俺にとってけっこうオーバースペックなので、いま使ってるUltra 2でいいや~、的な。

 要は上記Apple新製品のどれもが「いまの俺には必要がない」ってコトではある。以前は必要がなくても無理矢理必要性を捻出して強引に買っていたが、ここしばらくでそんな姿勢が少し変わった。

 というのは継続的に断捨離を始めたからだ。不要なモノとオサラバし、必要にならない限りは買わない、といったスタンス。俺のようなヤツが断捨離を始めると、最初は苦悶の連続だったりする。

 たとえば「うわっこんなモノの予備を備蓄していたのか!」とか。備蓄品が旧型となって陳腐化したりしがち。そのまま買い取り業者に持っていって愕然とする買取額が提示されたりも。

 まあ備蓄品はあって役立つこともある。たとえば安定性の高いスイッチングハブを備蓄していたが、別の場所で急にソレが必要になって活用。「買っておいたからスグ使えて役立った」みたいな? ただ、そういう「役立ち方」は頻繁にあることではない。

 なので「あーまた予備が!」、「こんなモノ買って何しようとしてたんだ俺は!」、「なんだこの新品未開封の知らないデバイスは!」と、過去の自分が購入した物品を発掘してはイヤなショックを受けたりする断捨離初期段階であった。

 しかし断捨離が進んでくるとイイことだらけに。第一に部屋が加速的に片付いてくる。またモノを見つけやすくなる。さらに余計なモノがないことからくる爽快感。断捨離が進むと、なんかこう、禁煙や断酒に似た「達成感」、「最適化感」、「向上感」など良い気分につながる心情が次々生まれてくる。

 そんなこともあり、何かヒトツ買おうとするときでも、以前よりジックリ考えるようになった。「これホントに要るか?」、「持て余さない?」、「邪魔にならない?」、「代用できるモノを既に持ってない?」などと。

 って少々話が逸れたが、この秋のApple新製品、上記のような理由でひとつも買っていないのであった。……もしかすると、この先、気が変わってなんか買うかもしれないが。

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