【虎将トーク=シーズン終了報告編①】阪神・藤川監督「偉大な岡田前監督からチームを譲っていただき…」「勉強はすれど、志が変わることはない」「私のやり方です」

オーナー報告を終え、会見で質問に答える阪神・藤川球児監督=大阪市福島区の阪神電鉄本社(撮影・甘利慈)

阪神・藤川球児監督(45)が1勝4敗で終わったソフトバンクとの日本シリーズから一夜明けた31日、大阪市内の阪神電鉄本社で、秦雅夫オーナー(68)にシーズン終了の報告を行った。主な一問一答は以下の通り。

★テレビ編

――リーグ優勝の結果を持ってのオーナー報告、どんな雰囲気だったか

「重い空気ではないですね。私自身がどんなと時も変わらぬ姿で人と接するように心がけていますから、胸を張って、リーグ優勝だから報告ができたとは思いますけれども、これが違う順位でも胸を張って、こういう結果でしたと報告すると思います」

ーーオーナー報告での印象に残っている言葉は

「監督として1年目で、至らないところもあったんじゃないかというところもありましたけど、1年間、リーグ優勝、ありがとうございますというお言葉をいただきました。監督として預からせていただいた身としては、こんなものなのかな、と。終わりがないと思って…歴史として90年がありますから、始まりはあれど、今日で終わりではないです。ゴールがない中で戦わせていただいていますから、道中という感じですね」

ーー悔しさを糧にする、といった話もあったのか

「悔しさは、チームとしてあるとは思いますけど、監督をやっていて、現役生活も20年やりましたけど、悔しさからくる努力はあまり良いモノではなくて、努力を続ける中に試合があり、戦いがある。昨年の11月のキャンプからスタートしてきました。悔しさがあるから頑張れる、では、良いゴールを迎えたから頑張らない、となるわけで、悔しかろうが満足していようが、やることは同じなんですね」

ーーどんな1年だったか

「偉大な岡田前監督、現顧問からチームを譲っていただき、検証しながら、壊しながら、戦力を見ながら、難しいことがあったと思いますけど…道中は忘れましたね。日々新たに、と思っていました」

ーー球団創設90周年でリーグ優勝だった

「私がするべきことは論より証拠。口で言うよりも行動で示すように、この監督を引き受けた、と思って戦いましたから、リーグ優勝の報告ができたことは、言葉よりも行動を大事にした勝負に自分が打ち勝ったのではないか、とは思います」

ーー監督像は思い描いていたモノを貫けたのか

「貫けましたね。変わることがないと思います。私でよければ受けさせていただきます、といった時点から、勉強はすれど、志が変わることはないと思います。それが私のやり方です」

ーーチームで成長したと思う部分

「何名もの選手がタイトルを取り、セ・リーグ6球団の中で各ポジションで一番を取って、その集合体がリーグで一番、1位ですから。成功の後にはハードルが高くなるわけで、2026年が待っています。もう始まっていますから、まだまだですね。それが全てです」

ーー投手、野手のMVPを選ぶとすれば

「一人ずつは難しいですね。グラウンドをベンチから見渡して、監督の場所から見渡して一番頑張ったのは坂本ですね。一番は坂本。それから中野ですね」

ーー投手では

「ゲームのある間はグラウンドの方を向いていますから、ポジション関係なく、常にグラウンドを見渡している中で、です」

ーー秋季キャンプは、どこを強化したいか

「若い選手が行きますけど、右の速球派リリーフ投手の台頭が必要です。今回のドラフトではない選手たちの成長をシーズンを通して見ていただければ。最後のゲームで村上、才木がベンチ入りしていたところに入る、チームの生え抜きの右のリリーフ投手たちを育て上げる責任がある。野手の方に目を向けるとキャリアのない選手たちがいます。やるべきところが一芸なのか、トータルなのか。作戦系に卓越した選手を作るのか。総合力の高い選手を作るのか。生え抜きの選手のバックアップを新たに作る必要があると考えています。課題は明確です」

ーーオフには優勝パレード、優勝旅行も予定されている

「本当に心が躍っています。一昨年日本一になって、選手たち、コーチの方々は記憶にあると思います。それに負けない優勝パレードを新たな選手に見せてあげたい」

ーータイガースファンへ

「時には叱咤激励をくださったことで、明日に立ち向かうことができる。私はそれだけ強い自分を持っているつもりです。物足りない時は私に全ての矢を向けていただいて結構です。それをもとに頑張れたからこそ、今日があります。日本一に届かなかったことも、私の責任ですから、どんどん、日本一になるための刺激をください」

ーーMVPに挙げた坂本、中野はどんなところが良かったか

「メディアで踊るような選手たちもたくさんいます。本当にチームが勝つためには、見えない小さなことが重要で勝つために必要なモノなんです。体現してくれていた。大山も入ります。組織で勝つ上では目に見えない力、小さなアウト一つ、1球ストライクを難しいところで取る。それは大変なんですよ。タイガースファンは分かっていると思います。みんな野球に詳しいですから。素晴らしかったです」

関連記事: