トランプ大統領、中国への関税「いずれは」引き下げる用意あると示唆

Kasia Klimasinska

  • 「そうでなければ彼らとまったくビジネスできない」-トランプ氏
  • 弱い中国経済指標に留意、中国商務省のコメント「前向き」と評価
米カリフォルニア州ロサンゼルス港に停泊した貨物船 Photographer: Eric Thayer/Bloomberg

トランプ米大統領は中国に課した関税をいずれは引き下げることに積極的な姿勢を示した。税率があまりにも高いため、世界の2大経済国がお互いとのビジネスを事実上凍結していると指摘した。

  トランプ氏は中国からの輸入に145%の関税を課し、これを受けて中国は米輸入に125%の税率で報復した。市場はこれに動揺し、製造機器の価格が跳ね上がると身構えている。また米消費者が依存する安価な衣類や玩具など、財の価格上昇も警戒されている。

  トランプ氏は4日に放映されたNBCのインタビューで「いずれは関税を引き下げるつもりだ。そうでなければ彼らとはまったくビジネスができない。彼らは積極的に取引を望んでいる」と述べた。

  トランプ氏は最近の中国経済指標に言及。4月の製造業購買担当者指数(PMI)は2023年以来の深刻な活動縮小を示した。新規輸出受注は22年12月以来の低水準となり、低下幅も同年4月以来の大きさとなった。22年4月は上海市が新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)に入っていた時期だ。

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  トランプ氏は中国から最近出されたコメントを「前向き」と評価しつつ、両国の合意はいかなるものでも「公正」でなくてはならないとあらためて主張した。

  中国商務省は2日、米国との通商協議の可能性を現在検討しているとの報道官談話を発表。報道官は「米国は最近、中国との協議開始を期待し、関係各方面を通じて中国側にメッセージを伝えてきている」とし、「中国はこの点を評価中だ」と説明した。

  2日の米国株式市場は、中国の声明と堅調な米雇用統計を好感して上昇して始まった。

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原題:Trump Signals Willingness to Lower China Tariffs ‘at Some Point’(抜粋)

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